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2016/08/23 (Tue) 13:58
(書評)都市伝説系彼女。2 永遠子さん救済倶楽部

著者:おかざき登



相変わらず、おかしな現象に遭いまくりの永遠子。そして、そんな彼女と共に、なんだかんだで楽しく活動中の敬一郎ら文類部。そんな日々の騒動を描いたシリーズ第2作。
なんか、あとがきを見ると、打ち切りっぽい感じなんだよなあ。折角、キャラクターとかがこなれてきた、って感じなのに。
相変わらず、殆ど無防備に永遠子が怪奇現象を呼び込むような行動を取ってみたり、とか、色々とやっているわけだけど……
個人的に好きなのは「くねくね」の話かな? 目の前に現れ、普通は特に気にしないもの。しかし、それを意識して気にしだすと、その正体不明さゆえに混乱をし、我を忘れて、自我が崩壊してしまう。そして、それらしきものが……
って、オチがそれかよ!!(笑) こういうしょーもない話、大好き!(笑) 逆に、見てみたくなった(笑)
そんなしょーもないものとかを含んだ後でのラストエピソード。
幼い頃から美加と一緒に暮らしていた猫が行方不明になった。年齢的にも……皆で、その猫を探す文類部だったが……
猫は死期を悟ると……よく言われること。まぁ、実際には、人間にも手を出されない「安全な場所」で休もうとする、とか、そういうことなのだろうけど、ただ、実際にこういうことはあるんだよね。そして、人間とずっと一緒に暮らしてきた、という絆があるという前提で考えれば、この猫のような愛情を持っていても、という感じがする。普段、憎まれ口を言っている敬一郎が、そういうのもあるんじゃないか? という最後のセリフも良かった。
結構、色々と作品世界を広げることも可能な設定だと思うし、続編も読みたいなぁ……

No.4123

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2016/08/22 (Mon) 13:57
(書評)真実の10メートル手前

著者:米澤穂信



太刀洗万智を探偵役としる連作短編集シリーズ。全6編を収録。
丁度、この前に読んだ著者の作品『王とサーカス』に続いて、2作連続で太刀洗万智が、ということでシリーズ化した、ということになるのかな? と思う。ただ、結構、作品のカラーはバラバラと感じる。
1編目に当たる表題作。
急成長を遂げたものの、半ば詐欺的な投資商法の結果、経営破綻したベンチャー企業。その社長・早坂一太の妹で、広報担当として活躍し、破綻した現在は行方不明になった真理を追うことに。ヒントは、末の妹との最後の会話……
会話の中の、何気ない言葉をヒントとして捉え、一歩、また一歩と真理の足取りを追っていく万智の推理力が光る1編。まあ、「うどんみたいなのを食べた」で山梨の「ほうとう」だろうな、くらいはわかったんだけど。ただ……その結果は……。順調に迫っているかのように思える進展を見せるからこその、苦すぎる結末は印象的。
悪意という意味では、3編目『恋累心中』。自殺したと報道される高校生の男女。そこに隠された真相……
二つの事件が同時進行的に出てくるので、そこが関係しているのだろう、というのはわかったし、そこからある程度は予測できた。ただ……そのために、純粋な少年の心を利用する悪意というのは何よりも強烈。しかし、このエピソードのように、同業者の視点で綴られると、万智自身が冷徹にも見えてくる。ほかのエピソードを見ると、決して、そんな人間でないのはわかるのだけど。
『王とサーカス』のように、報道というようなものの意義を問うのが『綱渡りの成功例』。
大雨による土砂災害。多くの犠牲者が出たこの災害で、数少ない明るい話題と言えば、その中で完全に孤立してしまった老夫婦が無事に救助された、ということ。そして、その救助の影で、息子が買っていたコーンフレークが夫婦の命を救ったと美談としてメディアは語る。しかし、太刀洗万智は、その美談に疑問を抱いて……
歯が弱かったため、牛乳でふやかしてコーンフレークを食べていた、という夫妻。しかし、災害時、電気は通じておらず、当然、それでは牛乳も……。その真実は……
ある意味、不都合な真実。それを報じられることにより、本人は傷つき、名誉やらもなくなるかも知れない。しかし、ではそれを守るために真実を隠蔽することは幸せなのか? 明かされることで、罪の意識を解消できることもある。何が人を救うのか? そんなことを考えさせられる。

No.4122

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2016/08/21 (Sun) 17:40
(書評)オークブリッジ邸の笑わない貴婦人2 後輩メイドと窓下のお嬢様

著者:太田紫織



24時間を19世紀の英国風に暮らすお屋敷・オークブリッジ邸。そこでのメイド生活に大分慣れてきたアイリーンこと鈴佳は、サボり上手な後輩エミリーらに振り回されてばかり。そんな屋敷に、奥様の孫・エズミがやってきて……
ということで、シリーズ第2作。
今回は1編目で、後輩メイド・エミリーの話が出てくるのだけど、全体を通すとお嬢様・エズミの話が中心になっている印象。
エズミが来たことで、それまでの奥様の世話からエズミの世話係になったアイリーン。しかし、いきなりイタズラなどをされ、さらに、ちょっとしたことで、エズミの兄であるユーリとの仲も誤解されてしまう。さらに、そんなエズミに思いを寄せる少年が現れたり、過去、アイリーンを雇っていた主人が現れたりして……
正直なところ、1巻の段階で奥様がなぜ、この屋敷生活をしようと思ったのか? とか、そういうのがあまり語られなかったところで、エズミのエピソードがメインなので奥様の印象が殆どなくなってしまった感あり。まぁ、でも、19世紀の英国風の身分制度を再現したような関係で、しかも、それを利用してワガママ放題とかされたら……シャレにならんわな(笑) というか、この労働環境ブラック過ぎるだろ(笑)
んでもって、そんなエズミそのものについて掘り下げられる4編目。なぜ北海道に戻ってきたのか? 声楽を学ぶ学生のはずなのに練習の様子が見えないのか? そして、彼女自身の過去……
丁度、直前に『楽園への清く正しき道程』とか読んだせいもあるのだけど、そのあたりの人間関係も当時の貴族とかを想像してしまう。まぁ、エズミの追い込まれた感じとか、そういうのはすごくわかる。ちょっと複雑な事情があるからこその家族だから、とか、そういうのを含めて。
うーん……奥様が、っていうのは、そういう事情もあったから、とか、そういうこともあるのかな?

No.4121

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2016/08/20 (Sat) 13:52
(書評)楽園への清く正しき道程 庶民出身の国王様がまたご愛妾を迎えられるそうです

著者:野村美月



メイドであるミーネを愛妾に迎えたものの、王妃との間に世継ぎが出来るまではイチャイチャすることを禁止されてしまったルドヴィーク。そのような中、国王に思いを寄せる女騎士エヴァリーンに縁談が持ち込まれる。国王の騎士ではいられなくなる危機に、エヴァリーンはフロリンという助っ人を得て……? 一方、公爵令嬢であるテレーゼと知り合ったルドヴィークだったが、その時の様子で王妃からは勘違いされてしまい……
タイトルの「0番目」とかってのは、巻数のことではなかったのね……
上に書いた話で分かるように、今回はエヴァリーンと、テレーゼを同時攻略(笑) 結婚、縁談というのが一つのキーワードが歯車となって物語が展開。
個人的には、エヴァリーンよりも、テレーゼのおかれた状況、そして、二人の友情が印象的だったかな? 幼い頃から王妃候補のNo.1として育てられ、それに相応しい振る舞いを叩き込まれてきたテレーゼ。しかし、その嫁ぎ先候補だった王子たちは次々と病死。そして、ルドヴィークにはカテリナという他国の王女が……。他の貴族のところへ、ということも出来ず、それどころか妹に先を越されてしまう……。ここまでのエピソードだと、高慢キャラみたいな扱いだったけど、完全に梯子を外された形の立場が切なすぎる。そして、そんなときに、望まぬ相手との結婚話が持ち上がったエヴァリーンを前に、自らを犠牲にしても……。「実は……」という展開があるのは、お約束だけど、本当、今回の話を見ているとテレーゼの人間性の魅力を感じた。
その一方で、エヴァリーンの恋の手伝い(ただし、相手がルドヴィークとは知らない)をしつつ、テレーゼとルドヴィークの邪魔をしようとする中で、自分もルドヴィークが? と自覚していく……。そういう意味では、メインヒロインは……と思っていたら、今度は4番目、5番目て……
本書を読む前に、他の人の感想を書いていたら一気に話が進んで「もしや?」と思ったというようなものを見かけたんだけど、確かに、それを感じずにはいられない。少なくとも『ヒカルが地球にいた頃……』とかだったら、もう2巻くらいやっていただろうし……
どうなんだろう……?

No.4120

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2016/08/19 (Fri) 13:54
(書評)ティファニーで昼食を ランチ刑事の事件簿

著者:七尾与史



室田署刑事課の新人刑事・國吉まどかは、「警視庁随一のグルメ刑事」と呼ばれ、ランチに全力を傾けている。そんなまどかと、相棒の高橋竜太郎が注目するのは、リニューアルされた警察署の食堂ティファニー。値段は高めなものの、絶対味覚を持つコック・古着屋の作る料理は絶品。そして、その味は、犯人もイチコロ?
という連作短編集。
何と言うか、著者の作品は結構、色々と読んでいるのだけど、こう見ると凄いひっくり返しとか、トリックとかは無縁。しかし、安定感のある作風で、サクサクと読める作品を次々と出してくる、という印象。今回は、料理がテーマ。
例えば1編目。発売されたばかりのゲーム機を転売目的で買占め、その結果、店員を脅迫したとして逮捕された元暴力団員の男。取調べに対してものらりくらりとした態度を取る男はカレーを食わせろと要求。そこで、食堂でカレーを食べさせると……。これなんか、ひっくり返しも何もない。ただ、料理を食って、改心して……というだけ。でも、その中に気楽に読ませる技術が詰まっていると感じる。
男の取調べを行うまどか。しかし、のらりくらりとした男の態度。しかも、そちらの口車に乗せられてしまう。そんなまどかに突っ込みを入れる高橋。コンビ二人のキャラクター、立ち位置。そして、そのカレーを作る過程を通して、古着屋の凄さを示す。作品の世界観をしっかりと説明した導入編と言えると思う。
身体の一部が切り取られていた変死体を描いた2編目。絶品ドリアを作るシェフが殺された3編目。正直。テーマ自体は決して目新しいものとは言えない。ただ、それをサクサクと読ませる、というのが流石と言ったところだろう。
そんな感じで、3つの事件は解決するものの、古着屋はどうやら絶対味覚を持っているらしい。そして、その舌で色々と食べているらしい。その辺りはわかるものの、何者なのか? とか、そういうところは一切不明。話としては、シリーズものの、第1巻、導入編と言った感じになるんじゃないかな? と思う。

No.4119

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2016/08/18 (Thu) 13:49
(書評)記憶屋

著者:織守きょうや



大学生の遼一は、思いを寄せる先輩・杏子が飲み会などに殆ど参加せず、早く帰ることを不思議に思っていた。その理由は、かつての記憶から、夜道が怖いから。その帰宅に付き合う遼一だったが、治る気配はない。そんなとき、耳にしたのが忘れたい記憶を消してくれるという「記憶屋」という噂。そして、その記憶屋に会いに行く、という杏子は本当に記憶を喪い、遼一のことすら忘れてしまい……
第22回日本ホラー小説大賞・読者賞受賞作。
忘れたい記憶。多分、誰でもあることだと思う。冒頭にも書いた杏子なら、かつてのトラウマ。別に夜道だから即ち危険というわけではない。頭では分かっている。でも……。それを忘れられたなら、新たな一歩が歩める。次の行動が出来る。しかし、それは共に様々な弊害が。何よりも、何事にも様々な人が関わっている。そのエピソードも同時に……。記憶を喪うことは良いことなのか? それとも……? そんな物語を4編の連作短編形式で描いている(とは言え、厳密には短編集ではないが)
印象的なのは、2つ目のエピソードかな? 優秀な弁護士であるが、周囲とは一定の距離感を保ってきた青年。そんな彼は、最早、余命いくばくもない状態だった。普段の態度も、自分の死に深刻なダメージを受けないで欲しいから。しかし、そんな彼を強く思っている少女が一人居て……。よく、故人を思うのは美徳的な描き方をされることが多いけど、このエピソードのようなこともあるわけで、そう考えるとどちらが良いのか? ちょっぴり哀しく、でも優しいエピソードだからこそ、よりそんな雰囲気を強く感じる。
そんなエピソードを交えながら、記憶屋を探る遼一。そして、その記憶屋の抱えている苦しみ……。そういうあたりで纏め上げたのは上手い。
ただ……忘れられる、忘れられない……などの基準が曖昧で、その辺りがどうももやもやしたってのもあったりはする。

No.4118

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2016/08/17 (Wed) 13:57
(書評)ガーリー・エアフォース6

著者:夏海公司



モンゴルの鉱山で、なぜか1000年以上も前のF15Jの翼の残骸が発見された。ザイの脅威が迫るモンゴルで、さらなる調査のため、慧たちは機体回収を命じられる。しかし、現地に着いた慧たちの前に現れたのは、ロシアに所属する3体のアニマたちだった……
なんか、これまでのエピソードが、新しいアニマが登場して、それに伴って慧たちが右往左往……というような感じだったのだけど、今回はその辺りが少なく、個人的にはこれまででもかなり面白かった巻に感じる。
冒頭に書いたように、モンゴルで発見された戦闘機の残骸。1000年前と言えば、平安時代。そんな時代になぜ戦闘機が? しかも、その性能はむしろ現代のそれよりも良いくらい? 一体、どういうことなのか? 調査のためにも機体を手にすることが必要。しかし、その機体を巡ってロシアも動き出しており、しかも、当のモンゴルでは親ロシア派と、親日派という対立が起きている。
まぁ、3巻のときにも、慧たちが加わった反攻作戦について、日本が勝ってザイから土地を奪い返せれば勿論、アメリカにとって朗報。仮に失敗し、日本が抱えるアニマを喪ったとしても、それはそれで対ザイ戦争における主導権争いでリードできるからOK、なんていうので人間側の事情が見えるシーンはあった。でも、今回は完全にザイという最大の敵を前にしているのに人間同士の内部抗争に明け暮れる。
その中で、ロシアの3体のアニマたち。命令もあるから、確かに慧たちにとっては敵。しかし、4巻で現れたベルクトについての感謝を非公式に訪れて感謝を述べたり、と決して敵対しているわけではない。まして、危険性を知らせるなど、ある意味では裏切りとも言える行動を取っている。それは勿論、彼女らの人間性(?)もあるんだろうけど、戦うべき相手は誰なのか? というのを明確にしているからこそ、なのかな? とも思えてくる。それに対して……
そのような中で、慧とグリペンの関係も進展。しかし、そこに違和感も……そういう意味では、話そのものも進展したってことなのかな?

No.4117

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2016/08/16 (Tue) 13:53
(書評)道然寺さんの双子探偵

著者:岡崎琢磨



福岡にある寺、道然寺。この寺には、しばしば、動物が捨てられたりするのだが、十数年前、そこに捨てられていたのは、双子の赤ん坊。レンとラン、寺の子供として育てられた二人は、寺で不可思議なことが起きたとき、推理の冴えを見せる。謎を解決するのはどちら?
これは、新シリーズ、なのかな?
物語は、副住職である一海が、双子のどちらかと共に謎に出会う。そして、その謎を、片方が推理して解決させた……かのように思わせる。しかし、後で話を聞いたもう片方の双子が別の真相を示す……という流れ。ある意味、パターンが決まっているので、これはネタバレ……じゃないよね?
こういうと何だけど、真相を解明する側は、現場に居たのではなく、あくまでも事後に話を聞いて、という形なので安楽椅子探偵と言えると思う。確かに、最初に提示される回答には、積み残しがあるわけだけど、ちょっとひっくり返しのためのひっくり返し、というような感じを受けるのは仕方がないところか。
とは言え、そのキャラクター付けがあるので、「見方を変えれば」という一種のテーマ性に繋がっているのが上手いところ。性善説的な考えでものを見るラン。反対に、性悪説的な考え方でものを見るレン。それぞれ、事件の真相に近づいてはいるけど、その根本的なところで見逃してしまう。それは、人の考えの一面性とか、そういうことにも繋がるのだろうし、テーマとして昇華されているのではないかと思う。そのほかに、ランの食いしん坊キャラとかもあるけど(笑)
そんな中で、双子の親か? という4編目。ぶっちゃけ、実はあまり関係のない話、と言うことが判明するので多少肩透かし気味ではあるのだけど、ある意味、そこまでの3編とは違い、その場その場での推理の冴えを見せたりする。そういう意味では、この巻でしっかりとキャラクター付けをし、その上で……という可能性を示したエピソードではないかと思う。
双子が同時に事件に遭遇して、とか、そういうパターンも出来そうだし、そういう形での続編を期待したいところ、かな?

No.4116

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2016/08/15 (Mon) 13:49
(書評)人魚の眠る家

著者:東野圭吾



娘の小学校受験が終わったら離婚する。表面上は幸せを装っていた仮面夫婦の和昌と薫子。そんな二人の下へ届いたのは、娘がプールで溺れ心配停止状態になった、というもの。医師は、事実上、脳死と同じ状態にある、というもの。ドナーとするのであれば、脳死判定をし、そうでないなら、延命措置を取る。そんな医師の言葉に二人が下した決断は……
著者って言うと、第一線のミステリ作家。本作も……と思ったら、本作には殺人や強盗など、刑法犯罪は発生しない。そして、物語のテーマは、ずばり、「脳死」。
最初に物語の設定を言うと、和昌は、会社社長。その会社は、脳波などを研究し、障害者の活動、介助支援を行うという業務、一度は、娘が脳死、という決断を仕掛けたが、土壇場でそれを撤回。和昌の会社の技術を使い、娘の回復を目指す。そして、薫子は、そんな娘の回復にすべての情熱を傾けていって……
「脳死」。言葉としてインパクトはある。しかし、脳死と判定されるには、「脳死判定」がされねばならない。そして、そのためには、臓器移植のドナーとなることを本人、もしくは家族が承知せねばならない。それをしない限りは、「脳死状態」であっても、従来の「心臓死」の基準によって「活きている」とみなされる。子供の臓器移植のために突貫的に作られたルールの中途半端さ……
医療の力、技術の力により、心臓死はしない。そして、筋肉も衰えることなく、身長なども伸びている。見た目はまるで、普通の子供が眠っているだけ。そもそも、脳はわからないことだらけ。だから、「もしかしたら」という気持ちがないわけではない。しかし、明らかに常軌を逸した状況へと進んでいく薫子の情熱。当初はともかく、だんだんと、そこから距離を置くようになっていく周辺。
この手のテーマの作品だと、色々と周辺情報を手にいれ、様々な立場の人間を登場させ、そして、その中でルールが中途半端だ、とか、そういう議論を進めていくのが一般的。ところが、本作の場合、本当にシンプルに、事実上、脳死状態と思われる娘の看護、介助、それだけを描きながら、そこでその中途半端さを浮き彫りにしたところが最大の凄さだろう。
物語の中心にあるテーマ性。そして、それをシンプルな設定で読ませる著者の腕。双方がしっかりとかみ合っていなければ、決して、このような読後感にはならなかったのではないかと思う。偉そうな言い方だけど、久々に著者の作品で「大当たり」と感じた作品。

No.4115

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2016/08/14 (Sun) 16:00
コミックマーケット90のお知らせ

この記事は、しばらくトップに固定します。

8月12日から、14日にかけて、東京ビッグサイトで行われるコミックマーケット90。私、たこやきが関わっているサークルもいくつかありますので、紹介します。

2日目
サークル名:踏み切ってじゃんぷ
場所:東パー43a


毎回のように参加している障害競馬のサークルです。今回は、『高齢馬と障害競馬』というものを書きました。
8歳以上の馬が、障害でどんな成績を残しているのか、について調べてみました。



3日目
サークル名:アニ☆ブロ
場所:東ポー06a


こちらも半ば、毎回恒例で参加しているサークルで『アニブックログ2016』を配布します。
去年夏から今年春までのアニメ作品についてのクロスレビューを書いています。今回は、頁数の関係で、毎回書いていた長文考察はありません。
70本も書いたんだから勘弁して……

サークル名:ブログ同盟
場所:西fー25a(サークル・イプシロン様で委託配布)


こちらも、毎回、参加しているサークルですね。こちらもちょっとだけ、ですが原稿を書かせてもらいました。
ちなみに、この本もアニ☆ブロで委託配布する予定です。



当日は、恐らく、私は2日目は「踏み切ってじゃんぷ」、3日目は「アニ☆ブロ」ブース付近にいると思います。
まぁ、予定は未定(笑)




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