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近しい君との見知らぬ記憶

著者:久遠侑



幸成には、経験したことのない記憶が存在していた。知らないはずの人物と友達であった記憶。行ったことのない場所に、行っていた記憶。だが、そのことを周囲の人には理解されていない。そんなある日、既視感を覚えて初めて降り立った場所で、夢の中で出会う少女・優羽子と出会う。そして、優羽子もまた、夢の中で幸成と出会っている、というのだが……
購入して、1年以上、ひたすらに積んでいた(苦笑)
最初に書いてしまうと、この作品、SF要素がある。あるのだけど、でも、ガッツリ、というわけではなくて、著者の作品らしく、透明感のあるやりとりを中心にして、ちょっとSF要素を、という味付け。
自分の夢の中で起こっていたこと。それは、一体何なのか? 偶然の出会いから、一緒にその謎について考え、夢の中で訪れた場所を巡ることにした二人。その中で、だんだんと惹かれていく二人。優羽子の父が、世界的な研究者ということもあり、その父親と話をする機会を得たり……と、関係も進み、恋人に。しかし、そんな矢先に、優羽子が謎の眠りに落ちてしまう。そして、「別次元の幸成」からのメールが届き……
もう、なんていうか……純愛なんだよな……
量子コンピュータとか、ナノマシンとか、そういう近未来的な出てくるのだけど、でも、日常描写を大切にする、というのは著者らしい。多少、強引なまとめな気もするのだけど、その中で、優羽子のことを、という形でまとめ上げるなど何を描きたいのか、というのがしっかりとしているのも良し。
地味かも知れない。でも、綺麗な描写が光る作品だな、というのを思う。

No.5127

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著者:旭蓑雄



いったい、二人はいがみ合っているのか、イチャイチャしているのか? そんなヤスと夜美の前に、二人の関係を調べる、という名目で、一人のエリートサキュバス・グリムが現れる。恋人関係にあるのかどうかを調べるため、二人は温泉旅行に出かけるのだが……
あとがきやら、本書の粗筋などで書かれているけど、「なんだ、この夫婦漫才!」って感じになって来たなぁ……
そもそものところ、アキラと親しくなった辺りで、ヤス自身が、夜美がアキラのことが好きじゃないか、と嫉妬し始める。さらに、旅行に行って、夜美のアタックを受けながらも……。色々と言いながらも、嫉妬と、でも……という気持ちをひたすらに抱き続ける。この時点で、完落ちだよなぁ(笑)
が、そんな温泉旅行の中で、実はグリムはエリートではなく、本物のエリートであるグリムの姉オトギが登場! 超シスコンであるオトギは、グリムが人間の男とくっつくのを阻止せよ、と言い出し、グリムとアキラの邪魔をするための二重スパイになることになって……
と書くと、シリアスな感じもするのだけど、その妨害工作として仕掛けた「王様ゲーム」で、なぜかやたらと引きの強いグリムがひたすら王様になって……という展開で、その流れが続きまくる。結局、やっていることは、前半とあまり変わっていない、という。でも、それが良い!
何と言うかね……
1巻、2巻のときは、両者の想いがどうだ、とか、そういうのを考えていたんだけど、3巻になって、一種の「形式美」的なところへ落ち着いた、という印象が強い。口では認めず、しかし、実際は……という中で、口で認めていないからこそのアレコレ。結論も、本心もわかっているからこその安心感を伴ったコントとか、そういうのってあるじゃない。それをラブコメでやっている、という感じがするのだ。
確か、第1巻のときは、夜美かわいい、というような感想を書いたけど、ここまで来て思う。
ヤスもかわいい(ぉぃ)

No.5126


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著者:村谷由香里



家賃4万5000円。一部屋四畳半で夕食付。平凡な大学生・七瀬浩太らが暮らす深山荘は、そのオンボロな外観から心霊スポットなんて言われている。そんな深山荘では、確かに暗闇に浮かぶ怪しい人影やら、謎の紙人形など、不可思議なことが起こるのだけど、住人たちは全く気にしていなくて……
第25回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞受賞作。
何と言うか……とにかく、「温かさ」というのを追求した物語、なのかな? と。
住人は、深山荘の夕食を作ってくれる夏乃子さん。留年を繰り返している館の主的な存在の児玉さん。最近、ちょっとホームシック気味だという後輩の沙羅と言った面々。そして、粗筋で書いたように、建物はオンボロで、不可思議なことも起きるのだけど、あまり気にしない、というある意味、メンタル最強の面々(笑) まぁ、それぞれの事象がなぜに起きたのか? という部分はあるのだけど、推理とか、そういう部分に尺が割かれているわけではないし、結構、あっさりと境界線を越えたようなことを起こす人々だからなぁ……
で、そういう設定の中での魅力、というのは、とにかく、その包容力と言うか、そういうものなのだろうと思う。1編目が、突如現れる人影の正体は? それは……という話なのだけど、驚かせたことは謝りつつも、それすらあっさりと受け入れる面々。ホラーのような形に持っていくことも出来るだろう物語を温かさで貫く、というのがこの作品のなのだ、というのをまず示したエピソードだと思う。
そして、そんな物語のメインともいえる3編目。霊能力がある、という少年が訪れた。管理人的な役割の夏乃子に、それが取り憑いている、というのだが、その幽霊は、大学に入る直前に亡くなった少女の霊。自分たちの大学が好きで、深山荘に暮らしたい、という想いを抱いていた彼女が悪霊のはずはない、と言う浩太たちの言葉で……。この辺なども、しっかりと作品の雰囲気を踏襲している。そして、その事件がきっかけになって、さらにもう一つの秘密が明らかになって……
正直なところ、序盤はちょっと平坦な印象もあるのだけど、そこかしこで出ていた、ちょっと風変わりなところが全て繋がって、という構成は綺麗にはまっていると思う。そして、そういうことよりも何よりも、こいつら、楽しそうだな、という想いがそのまま伝わってくる、というところが本作の良いところだと思う。

No.5125

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人間狩り

著者:犬塚理人



20年前に起きた14歳の少年による女児殺害事件。その殺害の様子を記録した映像が闇サイトで売買されている。その映像は、警察で保管されていたはず。流出させたのは……。警視庁人事第一課監察係の白石は、当時の関係者を捜査するよう命じられる。その頃、カード会社で督促の仕事をする江梨子は、「カードを止められたせいで、娘が自殺した」というクレームの電話を受ける。それは、本当なのか? 個人的に、その債務者の元へ向かった彼女は、その債務者の悪事を知って……
第38回横溝正史ミステリ大賞・優秀賞受賞作。
何か、いかにも現代的、という感じがする作品。
物語は冒頭に書いたように、監察官の白石と、カード会社の社員である江梨子の視点で綴られる。白石は、冒頭の通り、警察に保管されていたはずの映像を流出させた犯人を捜すために。そして、江梨子は、債務者の行動を思わず撮影し、ネットにUPしたことで、悪事をネット上で糾弾する「自警団」としての活動をすることになって……
誰が、なぜ、その映像を流出させたのか? 可能性として、20年前に逮捕された「少年A」が自分で持っていて、ということが考えられる。しかし、彼は、そのとき、病で入院していたらしい。となれば、当時の捜査官? 金目的? それとも? 一方、江梨子は、自分がきっかけで、その債務者が逮捕されたことで、「自警団」をしている人々と知り合う。小さな悪事などを糾弾することもしつつ、もっと、大きな悪を糾弾したい、という気持ちになっていく。そんなとき、彼らの目標となったのは、大事件を起こしながら、医療少年院に数年いただけで社会復帰をした「少年A」……
読者としては、映像を流出させたのは「少年A」ではないことが、白石視点でわかっている。けれども、江梨子たちは、そうではない。「また少年Aか」 そんな思いで、少年Aの正体を探ろうとしていく。明らかなネット民の暴走。だが、それが原因で、今度は……
堅実な捜査によって、流出させた犯人を絞り込んでいく白石と、暴走によって突き進んでいく江梨子。その中で、江梨子たちは、その「少年A」の平穏を破壊し、今度は狙われる存在になっていく。そして……
二つの物語がどういう風に交錯し、結びつくのかな? と思ったら、ちょっとその部分は弱かった気がする。ただ、それぞれのカラーの違い。テンポよく進んでいくリーダビリティ。そして、ひっくり返し、としっかりと作られた物語には好感。さらに、その背後にあるもの……
ある種の暴走ではあるのだけど、でも、理不尽だ、と感じるところが……というのがあるんだよな。ゴリゴリに社会問題とかを題材にした作品ではないので、そんなに掘り下げているわけではないけど、このくらいでとどめることで、逆に良いアクセントになっているように思う(これが、変にそこを主張し始めると、司法の話とかになって、却って一方的だな、と感じたりすることもあるので) そういうバランスの良さも持っているんじゃないだろうか。
ネットとかの話を題材に、うまくエンタメに昇華した佳作だと思う。

No.5124

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大進化どうぶつデスゲーム

著者:草野原々



突如差し込んだ強烈な光と、地震とは違った揺れ。星智慧女学院3年A組の生徒たち18人は、宇宙の運命を変える出来事へ巻き込まれる。混乱する教室。襲い来る怪物。そこに現れたAI生命のシグナ・リアは、元の世界に戻るためには、ネコが進化した宇宙との対決に勝たねばならないと言う……
SFとか、デスゲームとか、っていう設定はあるし、確かに、それは重要なところなのだけど……
明らかに百合小説だろ、これ!
人類が生物の頂点に立った世界と、ネコが生物の頂点に立った世界。その二つの世界がぶつかり合い、どちらが消えなければならない。人類が勝つためには、その頂点に立つ知恵を持つネコを滅ぼす必要がある。……ということで800万年前のサバンナへ降り立った18人。しかし、食料の確保やらから始める必要があって……という感じで話が進んでいく。
ネコとの対決、というのはあるんだけど、それは物語の終盤になってで、大半はその前段階について。
シグナによって、食事をしなくても良い身体にされているのだけど、食事を求めて狩りをしたりとか、そういう描写。その中で、それぞれの人間関係とかが描かれる。あるものは、バスケ部のエースとして、活躍していて、その見栄のために何かをしようとし、失敗して失望されるのを恐れる。また、あるものは、引っ込み思案な友人をもって、中二病キャラを演じる。逆に、その彼女は、憧れのその人と一緒に死にたい……。なんか、そういう少女同士の心のアレコレ、そして、淡い恋心みたいなものがメインじゃないかと感じる。なんか、そういう意味で、どちらかというと百合小説っていう感じがする。
ただ、1冊の小説として見たとき、18人のキャラクターが、あまり深く掘り下げられておらず、しかも、似たような思考のキャラクターなどもいて、イマイチ、誰が誰だったか、というのがわかりづらく感じた部分がある。また、ネコとの対決についての解決方法は、ちょっと強引だな、という風にも感じた。
そういう意味でも、百合小説として楽しんだ方が良いのかな? と。

No.5123

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少女葬

著者:櫛木理宇



一人の少女が壮絶なリンチの末に殺害された。その様子を撮影した動画、画像はSNSなどを通じて拡散された。そんな死体画像を見つめる一人の少女。彼女は、殺害された少女と共に生活したことのある家出少女。劣悪な環境で、確かに芽生えていたはずの友情。しかし、別離してしまった。心優しい少女は、なぜ、殺害されたのか? そして、二人の運命を分けたものは……
重い。とにかく、重い。
厳しい、というか、ある意味で、自分の正義だけを信じて疑わない父と、その父に従うだけの母。そんな両親の束縛から逃れるため、ある日、貯めてきた金を持って逃げ出した綾希。そんな彼女が住みかとしたのは、格安のシェアハウス。しかし、一部屋に何人もの人間が押し込まれ、私物すら住人同士で盗み合う、というような環境。そんな場所へ、新たな住人として入ってきたのが眞実。素直で、心優しい眞実と、綾希は仲良くなっていくのだが……
シェアハウスの仕切り役的な存在のパパ、ママ。さらに、貧困ビジネスで違法に金を稼ぐオーナーと、その取り巻き……。そういう存在も物語にとって、大きなものとなるのだけど……
個人的には、この作品のポイントは「強さ」「弱さ」とは何なのか? という部分なのかな? というのを強く感じた。シェアハウスの住人の一人が言う「自分の母親は弱い人間だ。だから、帰らない」という言葉。弱さ故に、他者に頼り、そして、利用されるだけの人生。そんな弱い人間にはなりたくない。
そんな言葉を前提として、綾希と眞実の二人を見比べると……
素直で、優しく、周囲ともすぐに打ち解けることが出来る眞実。しかし、それは同時に周囲に流され、断る、ということを意味する。そして、そんな部分を利用され、だんだんと落ちていく。一方の綾希は、その劣悪な環境にありながらも、絶対にこれだけは譲らない、というものを持ち続けた。そして、そんな彼女にあった一つの出会い。端的に、両者の違いを、ということでいえば、そうなるのだろう。
ただ……それも、一つの奇跡のようなものだった、という感じもする。確かに、綾希は、自分の中で一つの「線引き」を持っていた。けれども、それが理由で「気にくわない」という悪意によって……ということだって起きるかもしれない。一方で、眞実は、素直で周囲とすぐに打ち解けることが出来る。そんな彼女だからこそ、真っ当な人間と出会えば、簡単に立ち直れたかもしれない。そういう風に考えていくと……
作中において、二人の運命を分けたのは「強さ」「弱さ」だったのかもしれない。でも、それって、結局、何なのだろう? そんな風に思えてならなくなってきたのも確かだったりする。

No.5122

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著者:野宮有



悪魔が封じられたという弾丸を心臓に埋め込まれた者は、異能の力に目覚める。そんな能力者に溢れる犯罪都市で、賞金稼ぎ稼業をするラルフとリザ。そんな二人の元に入った依頼は、娼館から逃げ出した娼婦の少女と運転手を確保する、というもの。ところが、その娼婦・シエナはとんでもない秘密を抱えていて……
第25回電撃小説大賞・選考委員奨励賞受賞作。
うん、こういう作品、好きだな。
物語は、組織から逃げ出したシエナを捕獲して、というところから、マフィアによる襲撃などが始まって……で、続くバトルアクションの連続。異能の力を使ってのバトルが続いて、という形で物語が進んでいく。口が悪く、何かにつけて暴走しがちなリザと、そのブレーキ役としても動くラルフ。そのやりとりとかって、いかにもB級アクション映画のそれ、って感じなのだけど、作品の世界観が、まさに、そういう感じなので、狙ってのものなのだろう。
ストーリー的にも、ひたすら続くアクション。その中で、銀の弾丸を埋め込まれたものは、狂気に蝕まれていく。そんな中で、正気を保ったままのラルフは、「あっち側」へと行けないのか? そんな葛藤がありつつ、最終的には、むしろ……とか、そういう展開っていうのも定番と言えば定番。でも、それが良い!
シンプルイズベスト。銀使いになると……という設定からわかるように、戦闘描写とかに、ややえげつない、容赦がない描写とか、そういうのがあるので、その点で、好みが分かれる部分があると思うけど、そういうのが苦手じゃなければ素直に楽しめると思う。

No.5121

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著者:つちせ八十八



砂漠のドラゴンをスコップ波動砲で撃退したアランたちは、水の巫女改め、すこ巫女・ユリアの温泉スコップを満喫しつつ、オーブ探索の旅を続けていた。そして、訪れたのは氷の国で……
1巻と比べ、さらに狂気の度合いが増したぞ!
1巻の時は、リティシアがだんだんとぶっ壊れていって……という過程があったのだけど、今回は最初からマックス。そして、その上で、どんどん宗教としてのアレさを増している、というもの。ある意味、最初から最後までテンションマックスな状態なので、これはこれで、結構、読みづらいかも(笑)
氷の国で、その力を暴走させてしまった氷の賢者・リーズフェルトを解放して、その残念さを目の当たりにし、あっという間にオーブも手に入れてしまって……って、これじゃ、作品の狂気に満ちた部分が全く伝わらんな……
とりあえず、この作品の凄さは、何でもかんでも「掘る」「埋める」に据え置いていくことかな? というのを感じる。記憶を失ったリティシアの記憶を「掘り起こす」。罠にかけられての裁判において、相手の墓穴を「掘る」。……いや、それはスコップで出来ることじゃないよ! っていうツッコミがヤボであるのは承知の上。でも、そういうところへ持っていくセンスって、何気にすごいんじゃないかと思う。
と、同時に、アランへの想いが、崇拝へと変わっていって、そして、気づくとヘンテコな宗教を作り上げ、しかも、スコップ帝国によって世界を支配する、と宣言し始める。さらには、不死の王であるアリスを裸にして、くすぐり続けるプレイを続けてみたり……完全にアレな人になっている。というか、絵的にヤバいぞ、それは……
そして、カチュア。多分、この作品の中では、唯一、マトモな人。マトモな人。マトモな人……なんだよなぁ……多分。いや、そう書いてしまうのは、地の文でも書かれているように、「スコップには屈しない」とか、「自分はスコップなんて……」とか、そういう発言をしていること自体が、既に色々と侵されて行っている証拠、というのは間違いないわけだし。
うん、やっぱり、この作品の感想を書くのは難しいや。カオス。そして、その中の各種シーンで笑う。もう、それでいいのかな? という気がしてきた。

No.5120

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編集長殺し5

著者:川岸殴魚



最近、編集長の様子がおかしい。浜山さんの連絡ミスによって、発売延期となった事件でもおとがめなし。ただごとではありません! 私、川田をはじめとした編集部員の出した結論は……ラーメン屋へのジョブチェンジ?
シリーズ完結編。
一応、編集長の様子がおかしい、という話はあるものの、基本的な部分はいつも通り。
1編目は、新人賞の下読み。とりあえず……こういうのって、あるの? いや、あるんだろうな……。ひたすらに、設定だけが続く小説(?)だったり、ただひたすらにエロスだけだったり、まさかの続編だったり……。さらには、同じような設定の話をいくつも読むことになったり……。かなりギャグっぽくなっているけど、下読みの過酷さ、っていうのはよくわかる。っていうか、ライトノベルの場合、特に「何でもアリ」という部分があるから余計なのかも。
3編目のイラストレーター発掘。イラスト投稿サイトなどで……というのも仕事の一環。当然、そこでは、投稿者がそれぞれ渾身のものを投稿している。でも、見る人が見れば……。正直、ライトノベルのイラストとかを見ても「アレ?」という風に思うものはあるんだけど……。でも、デッサンとか、そういう部分、見る人が見ればわかるんだろうな。絵心の全くない人間の、何の面白味もない感想(笑)
ただ、その中での、様子のおかしな編集長。一方で、編集ゴロとのやり取りなどの中で、一種のドスの利いたやりとりをしてみせる川田とか、色々と言いながらも、ちゃんと成長している、というのが感じられて……の結末。
何となく、この巻を読みながら、この進め方は……と思っていたので、後書きで、「これで完結です」と言われても納得ができるところではある。編集長に言われるでもなく、そこまで表に出てきた編集長が一歩引いて、その様子を見ている、とか、そういうのは感じられたからなぁ……。そういう意味で、編集長が納得して……というのは素直に綺麗なまとめ方になっていると思う。
……で……
そ、それは……
何かの業か何かなんですか? 身長が縮んでいる、て……(汗)
というか(元)編集長が、そこからどうなったのか、気になるところではある。

No.5119

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著者:河東遊民



文芸部員である阿喰有史は、姉からの指名を受け、友人(部員)を集めていた。そんな中、勧誘対象である雑賀更紗がイジメを受けている、という情報を得る。半ば強引に入部され、他の部員と共にその犯人を捕らえることに成功する。だが、その犯人・横坂佳子は、クラスの中心人物である池永の命令でやっていた、と証言して……
第7回ラノベチャレンジカップ・佳作受賞作。
「傀儡のマトリョーシカ」、まさに、そのタイトルがしっくりと来る作品。
物語は、冒頭に書いた通り。イジメを受けていた部員候補を助け、その犯人を捕まえたと思ったら、その犯人に命令をした者がいた。そして、その命令を下したものも、何者かに脅迫されていた。そして、その上にも……。まさに、実行犯は誰かの傀儡であり、その上にもまた……というマトリョーシカのような側面を持っている。そして、その黒幕とは? という物語。どこまで行っても先が見えない。その本質とはいったい何なのか? その事件の構造が、まず面白かった。
その上での、有史と関係者とのやりとり。「これ」という言及はされていないのだけど、相手の言葉をそのままに受け取り、さらに、何だかよくわからない冗談を言う、というやりとり。いつも、どこかズレた物言いから始まるやりとりのユーモア(?)も好き。ここは多分、人によって好き嫌いが分かれそうな気もするけれども。
事件の真相……。これについては、理解できるような、理解できないような……。いや、理屈としてはわかるんだけど、でも、感情的には、とでも言うか……。でも、だからこそ、この事件が不可解なものになっていたのだろうな。
主人公・有史と姉の関係とか、そういうところは、もっと掘り下げられるのかな? と思いきや、思いのほかあっさりと終わってしまった感じはする。姉の思惑はわかるんだけど、そもそもの関係は? とか、その辺りが……。そこはちょっと不満かな?
ただ、独特のやりとりのセンス。そして、物語の大部分を覆う事件の構成、というようなものは大好物だった。

No.5118

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