FC2ブログ

(書評)葉桜の季節に君を想うということ

著者:歌野晶午

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
(2007/05)
歌野 晶午

商品詳細を見る


「何でもやってやろう屋」を名乗る成瀬は、あるとき、駅で飛び込み自殺をしようとしていた女性を助ける。その女性・麻宮さくらから、お礼をしたい、といわれたその直後、同じフィットネスクラブの仲間である愛子から、悪徳商法に関する相談をされ…
うーん…失敗した。
この作品、様々なところで「仕掛けがすごい」という話を目にしていた。目にしていたがために、どうも、最初からそういうものだと思って読んでしまい、仕掛けがあまり衝撃的に感じられなかった。あ、やっぱり、という感じで。事前情報なしで読んだならば、また、だいぶ違ったのだろう、と思うのだが…。その辺りの部分があるので、純粋な評価がしづらいのだが、その仕掛け以外の物語として思ったことを書いてみたい。
物語としては、と主人公である成瀬の一人称視点によって語られる。物語の中心となるのは2つ。1つは、駅で助けた女性・さくらとの関係。もう1つは、依頼された悪徳商法の調査。その間に、成瀬の過去のエピソードや、悪徳商法でがんじがらめになってしまった女性・節子の物語を入れながら…。
次々と女性と関係を結ぶ成瀬だが、さくらにたいして、想いを寄せながらも、そういう関係になろうとはしない。そのくらい大事に思う。一方で、仲間の家族をだました悪徳商法に怒りを感じ、危険も承知で突き進んでいく。さくらとの関係、そして、悪徳商法の調査…それらがバッティングして、困惑したりしながら、それでも進んでいく調査。そして、そこにあった真相…。そういう意味では、仕掛け以外のところでも、ちゃんとミステリ作品としてできあがっており、そちらだけで読むことも出来る作品になっている、ということは言えると思う。ところどころに挿入される、過去のエピソードも上手く効いている。
ただ、そちらの部分の真相については、ちょっと後出し、という感じが残るように思うし、ちょっとドタバタ、という感じが残る。仕掛けとの整合性もあったのだから、仕方がないのかも知れないが。
最初にも書いたように、私は、仕掛けそのものを序盤で想像してしまえたので、そちらの評価ができず、ちょっと困った作品になってしまった。ただ、それがなくとも、探偵モノとして、楽しむことができた、ということはしっかりと記そうと思う。

通算1521冊目

にほんブログ村 本ブログへ



http://xxxsoraxxx.blog11.fc2.com/blog-entry-777.html
スポンサーサイト



COMMENT 2

そら  2009, 01. 30 [Fri] 16:22

たこやきさん,こんにちはっ♪

>仕掛けそのものを序盤で想像してしまえた

それはちょっと残念でしたね~。
でも,そういう目で読むのも,またおもしろいかも…と思いました。

Edit | Reply | 

たこやき  2009, 02. 01 [Sun] 21:23

そらさんへ

いろいろなところで「仕掛けがすごい」ということで、どうしても穿った見方をしてしまったんですよね(^^;)
だから、そのままで読むのとちょっと違ってしまったのかな? と思います。
ただ、そのぶん、変わった見方ができたので、それはそれで良かったのかな? とも思うので…不思議な感じです(笑)

Edit | Reply |