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(書評)紫嵐 Violet Storm

著者:五條瑛

紫嵐(Violet Storm) (双葉文庫)紫嵐(Violet Storm) (双葉文庫)
(2005/03)
五條 瑛

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タイ人のチューンと共に荒れた日々を送る鳩。喧嘩の末の治療のために訪れたもぐりの医師・蘇の医院でその少年・すみれと出会う。純粋なすみれとの日々を送る鳩だったが、チューンが失踪。そして、そのチューンを追うことを命じられ…。
「R/EVOLUTION」、「革命」シリーズ第2弾。
実のところ、読み始めのころは『断鎖』と同じようなイメージを抱いた。『断鎖』の主人公・亮司同様、自分の中に荒れたものを抱き、そして刹那的な日々を送る鳩。勿論、日本人である亮司と、カンボジア難民である鳩とでは背負っているものは違うものの…。
そんなところから始まる物語は、祖国、郷愁、集団…そういうものへ。難民として、日本に滞在する資格を持っていたとしても、外国人ではない、と、日本人たちから弾かれ、攻撃されて過ごしていた鳩。そして、新宿、歌舞伎町という街の外国人たちの中でも少数派のカンボジア人。コミュニティを作るほどの力もなく、中国人、暴力団と言った勢力たちの下に組み敷かれるのみ…。そんな状況下での鳩の苛立ちと、けれども立ち回る中で露になって行く、組しかれる側の中での民族間の確執。そういう意味では、前回の亮司同様に、鳩の若さ、成長というのが描かれているのかな? と言うように思う。
しかし、そう考えて行くと、やっぱりサーシャ、そして、すみれの不思議な存在感が浮き立つ。
サーシャは前作同様、ちょっとした登場ではあるものの、何を考えているのかわからず、そして、何でも知っている、というような不思議な魅力を示す。今回、はっきりと登場するすみれのほうは、幼いながらも極めて聡明で、様々なことを知っていて、けれども、歳相応にも見える。今回の結果、鳩もまた加わることになるわけだけど…前回、亮司がサーシャの不思議な魅力に惹かれていったように、鳩はこのすみれの不思議な魅力に惹かれて行ったのではないか、と思うほどに…。
国、居場所を失った者たちがサーシャの下へ集っていく…というようなところは感じるものの、相変わらず目的は見えず。続きが気になる…。

…にしても、亮司はすっかり「爽やか青年」になっちゃってるなぁ(笑) あまりに印象が違いすぎてビックリした。…もっとも、前作の「仕事」をするときも、そういう風に見せてやっていたんだろうな…とかは思うわけだけど。

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COMMENT 2

そら  2008, 04. 19 [Sat] 22:01

たこやきさん,こんばんはっ♪

>サーシャ、そして、すみれの不思議な存在感が浮き立つ。

ですよね~(*^_^*)
すみれ,すご~く気になる存在です。

>亮司はすっかり「爽やか青年」になっちゃってるなぁ(笑)

ねっ☆
何か憑き物が落ちたというか,一皮むけたというか,私はそんな感じを受けました。
最初からそういう感じだったのかも…というたこやきさんの見解に,なるほどね~,そうかもね~なのでした(*^_^*)

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たこやき  2008, 04. 20 [Sun] 15:06

そらさんへ

こんばんは~。
サーシャもそうですけど、すみれもかなり不思議な魅力をもっていますよね。
私も、亮司については、成長したあとだと思うんですけど、その一方で…というところもあるんですよね。素直に、そういう姿、姿勢をすることが出来るようになった、というところじゃないかと言う風に受け取るべきなんだろうな、とは思いますが。

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  •  「紫嵐」五條瑛
  • 1巻よりハードボイルドな設定です。 だけど暴力沙汰はとっても控え目。だからとても読みやすい。 どんどんおもしろくなっていくぞっ♪ ★...
  • 2008.04.19 (Sat) 22:02 | 日だまりで読書