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2008/06/27 (Fri) 17:39
(書評)名前探しの放課後

著者:辻村深月

名前探しの放課後(上)名前探しの放課後(上)
(2007/12/21)
辻村 深月

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名前探しの放課後(下)名前探しの放課後(下)
(2007/12/21)
辻村 深月

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ジャスコの屋上。依田いつかが気づいたのはそこだった。自分の記憶から3ヶ月前にいる自分。そして、残る「誰かが自殺した」と言う記憶。「誰か」の自殺を止めるため、いつかは同級生たちと「名前探し」を始める…。
なるほど、こういう結末で来ましたか。
内容紹介でも書いたように、物語としては自殺する「誰か」を探し、それを止める、という目的。そのために、小説が好きなあすな、友人の秀人、秀才である天木…といった面々と協力を始める。そして、その候補と思われたイジメにあっている少年・河野…。
「自殺」を防ぐため、河野へと近付くいつかたち。その仲間たちの中にもある打算。そして…と、結構、読んでいてこれはこれで嫌な印象がある。そして、その中の描写で感じる細かい違和感。もしかしたら? と言う期待と、このままなら…と言う感情を抱きつつ読むことになった。そんな中でも、少しずつ、いつかが、あすなが成長していく姿が描かれて、終盤でのひっくり返し…。そこまで感じていた違和感であるとかをしっかり回収してくれたのは流石。やっぱり上手いな、と言う期待に応えてもらえた気分。
ただ、感想サイトとかを見ていても言及されているけど、問題は、最後に明かされるタイムスリップの秘密の部分。これ、一種のファンサービスなのかも知れないけど、どの程度必要だったのだろう? 私自身は、読んでいて驚いた部分はある。あるんだけど…この作品から入った人とかは、「誰?」ってことになると思う。他作品とのリンクがあること自体は嬉しいのだけど、一番、重要な部分が、となると…。他が文句なしだっただけに、余計に。
ファンとしては満足。これまで辻村さんの作品を読んだことのない人なら、『僕のメジャースプーン』辺りを読んでから、をお勧めしたい。

通算1295冊目&1296冊目

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2008/06/01 (Sun) 22:23
(書評)QED ventus 鎌倉の闇

著者:高田崇史

QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)
(2007/09/14)
高田 崇史

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妹・沙織に鎌倉散策に誘われた奈々。乗り気ではなかったものの、崇も来る、とのことに共に行くことに。3人で旧跡を巡る中、鎌倉市内の企業で起きた事件を取材する小松崎と出会い…
QEDシリーズ第8弾。タイトルから判るように、今回のテーマは鎌倉。
初代将軍の頼朝、いや、その前、木曾義仲、源義経から始まり、源頼家、実朝と次々と不可解な死を遂げる源氏の血族。三方を山に囲まれた要衝…とは言え、関東の片田舎に過ぎず、物流などで考えても不利な鎌倉と言う地に拠点を構えたのは何故か? そんな歴史上の物語を、鎌倉各地やその周囲の旧跡や、そこを巡る逸話・伝説などと絡めながら解明、そして、鎌倉幕府を操った真の存在へ…という辺りは面白い。まぁ、歴史の教科書を見ているだけでも、真の存在が誰か、なんていうのは薄々気づくのだろうけれども、ここで描かれる旧跡、伝承などと絡めていくとより、説得力を感じる。
今回は奈々たちは事件などに全く関わらず、旧跡などを巡って、話をしているだけなのだけど、そういった旧跡などを巡ってのガイドのような印象があり、これはこれで味わいがあるんじゃないかと思う。
ただ、事件に関しては必要あったのかな? と言う感じが強い。先ほど、奈々たちが事件に関わらない、と書いたけど、実際、関わるのは小松崎がちょっとだけ。似たような構造がある、と言えばそうなのだけど…別になくても良かったんじゃないだろうか。こういっては何だけど、しばしば挟まれる事件を巡る描写、邪魔と感じてしまった。
ただ、前作の「おいおい…」と感じる展開と比べれば遥かに自然な展開だし、話としても面白かったように思う。

通算1266冊目

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2008/05/07 (Wed) 12:36
(書評)禁断のパンダ

著者:拓未司

禁断のパンダ禁断のパンダ
(2008/01/11)
拓未 司

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チャペルに併設された、超有名レストラン。妻の友人の披露宴、ということで招待された気鋭の料理人・幸太は、そこで元料理評論家の中島と出会い、共にその味を堪能する。そんな披露宴の翌日、そのレストランの側で新郎の父の経営する会社の重役が遺体で見つかり、父が失踪する…。
第6回、『このミス』大賞大賞受賞作。
この作品は『このミス』大賞の受賞作なのだけど、江戸川乱歩賞の受賞作には一つのジンクスがある。それは、「必ず殺人が起こっている」ということ。作品の扱っているテーマ如何に関わらず、必ず殺人事件が起こっているのである。そして、それが足かせと感じる場合もしばしばある。実は、本作にも同じようなことを感じてしまった。
本作の場合、素晴らしいのは、テーマである料理に関する薀蓄、そして、その描写。冒頭の披露宴の席で出される料理。その料理を出すレストランそのもの。はたまた主人公である幸太の作る料理。こういうものが実に見事。調理師学校を出て、料理人として働いた、という著者の経験が遺憾なく発揮されているように思う。
…が、それがあまり物語そのものの、ミステリとしての面白さに直結していないように感じるのである。というのは、事件の捜査を行うのは、もう一人の主人公である刑事・青山であり、料理人である幸太は事件そのものに殆どタッチしない(終盤になって多少、絡む程度) そのため、料理そのものの描写があまり意味を成していないのである。
さらに、ミステリとしても、犯人の重要な候補が出た、と言うところでいきなりその人物が犯人だと自分で示してしまう部分があって肩透かしを食らった気分。そうなると、謎は動機になるのだが、正直、この手のネタはしばしば見かけるだけに、意外性が感じられない。トリックなどがあるわけでもないので、ミステリとしては正直、イマイチなのである。
個人的な意見を言うのであれば、殺人などを出さず、「日常の謎」ではないが、料理に関する部分で勝負できたのではないかと思う(例えば『厨房ガール!』(井上尚登著)などのように)これだけの描写力があるならば、それで十分に面白いと思うのだが。なんか、「勿体無い」と言うところを強く感じてしまう。

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2008/04/25 (Fri) 18:01
(書評)けんぷファー5

著者:築地俊彦

けんぷファー 5 (5) (MF文庫 J つ 2-5)けんぷファー 5 (5) (MF文庫 J つ 2-5)
(2007/09)
築地 俊彦

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水琴にケンプファーであること、女性化することを明かしたナツル。赤と青という状況でありながら休戦状態のまま、皆で(ナツルは女性の姿で)楓の家でのお泊り回。思惑渦巻くその夜に…
なんか、凄い急展開。
相変わらずナツルの鈍感さは際立っているし、楓の魅力はわからないし…っていうところはあるんだけど、ここまでの謎がかなり明かされ、そして、一気に展開したからなぁ…。確かに、ナツルの存在は中でも異質ではあるし、ここまで出てこなかった新たなる存在の登場…と、相当に大事な話ではあるんだよね。そして、そうなればなるほど、楓の存在が疑わしくなっていく…という辺りも。
でも…やっぱり、ナツルの鈍さにイライラする(笑) これだけのハーレム状態を作り出しながら、一切、本人に自覚がなく、なおかつ、周囲をバッタバッタと切り捨てていく展開はある意味、斬新。これもある意味、凄いよな。なんか、急展開にも関わらず、そちらがメインに思えてしまうのは何故だろう?
と、同時に、変身後の紅音さん…やたらマニアックかつ、危険なことを口走りすぎだと思います。

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2008/04/22 (Tue) 15:08
(書評)逆説探偵 13人の申し分なき重罪人

著者:鳥飼否宇

逆説探偵―13人の申し分なき重罪人逆説探偵―13人の申し分なき重罪人
(2005/08)
鳥飼 否宇

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人口の割に犯罪の多い綾鹿市。そんな市の治安を守る刑事の五龍神田には、特殊な情報源がある。その情報源は、中央公園に十年以上いるホームレスのたっちゃんと新入りホームレスのじっとく。たっちゃんの情報と、じっとくの一言で事件の真相が見えてくるのだが…。
という連作短編集。
変な言い方だが、読んでいて思った最初の感想は「案外、ふつ〜」ってことだったり。
いや、結構、事件そのものはツッコミどころの多い「脱力系」のオチのものはあるし、また、じっとくからのヒントを受けての推理が物凄いぶっとんだ方向になってしまったり…と、そういうものは多いのだけれども、それでも、鳥飼氏の別作品、例えば、『痙攣的』の凄まじいまでにぶっ飛んだ展開や、『昆虫探偵』のような設定そのものが極めて特殊な作品世界を予測して身構えていただけに、多少、拍子抜けした部分がある。とは言え、普通の作品からすれば、十分にぶっ飛んでいるんだろうけど。
物語としては、良い意味で「ワンパターン」を踏襲している。事件が発生し、それに当たる刑事の五龍神田(これで苗字)。事件の捜査をする上でホームレスのたっちゃんらにも聞き込みに行く。そして、そこでの情報、じっとくの一言に天啓を受けて…と。ただし、そのままストレートに行かないことも多く、微妙にずれていたり、と、そういう部分の楽しさはある。
これは…鳥飼氏の作品をどの程度、読みなれているか、にもよるのかも知れない。あまりに意識し過ぎると、「あれ?」という感じだろうし…そういう意味じゃ、鳥飼氏初心者向け…なのかな? (よくよく考えると、ちょっと意味不明なまとめだが)

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2008/04/18 (Fri) 15:47
(書評)とらドラ7!

著者:竹宮ゆゆこ

とらドラ 7 (7) (電撃文庫 た 20-10)とらドラ 7 (7) (電撃文庫 た 20-10)
(2008/04/10)
竹宮 ゆゆこ

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大河の停学もとけ、学校は間もなく期末試験、そして、クリスマス。生徒会長となった北村の提案でクリスマスパーティーが開催されることになる中、大河は「いいこ」宣言を行う。一方、実乃梨は…。
なーんか…ふと思えば、すっかり「主夫」キャラとして、クラス中に定着してるのな、竜児ってば。というか、大河のドジっ娘属性のほうも、だけどさ。少なくとも、「恐怖の二人」からはすでに脱却できてない? 本編と直接関係はないかも知れないが、そんなことをふと思った。
で、その本編の方だけれども…なんていうか…ようやくここまで来たか、という変な感慨があるんだけど。
大河の停学中、ロクに話が出来なかった竜児と実乃梨。そして、停学があけた後も、二人はすれ違いを繰り返す。そんな竜児と実乃梨の間を「いいこ」として取り持とうとする大河と、そこにある違和感。そして、大河と北村を…というところで竜児が感じる違和感。
これまでの物語の中でもずっと内包していたもの、と言えば、それは確かなんだよね。そして、ようやく表面化しただけ、と言うか…。第1巻で大河と竜児が二人で協力して…というところからずっと抱えていたわけだから。勿論、そういう状況を含みながら、新学年の開始から、クリスマスへ…と、ずっと引っ張ってきたからこそ、ここまでにっちもさっちも行かないところへ持ってこれたのかも、というのはある。積み重ねの結果、とでも言うか…。
物語のこれまで何とか持ちこたえてきた楼閣が崩れ去った状況。物語のクライマックスは近い…のかな?(でも、アニメ化ってことで、そこまでは引っ張りそうだな)

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2008/04/02 (Wed) 19:09
(書評)姫宮さんの中の人4

著者:月見草平

姫宮さんの中の人 (4) (MF文庫J (つ-01-11))姫宮さんの中の人 (4) (MF文庫J (つ-01-11))
(2008/03)
月見 草平

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副会長の家での事件も何とか回避し、学園は文化祭、そして、生徒会長選挙へ。純人は生徒会長選挙への準備に追われつつも、ちとせの訓練は続く。その結果、少しずつ外へ出るようにもなってきた。そんなとき、ちとせ(中)は演劇に出演しないか誘われ…。
うん…要垣内家ってすげーな。何、あの英才教育っぷりは(笑) …と、いきなり巻末のオマケ小説ネタで行ってみる。
物語としては、純人の三股っぷりを描いた話、といえるんだろうな。サラりと霞を1日目、結衣を2日目、一緒に文化祭めぐりに誘い、その一方でちとせを…っていう辺りに天然ジゴロっぷりが光るね。本人には全く自覚がないんだろうけど。
と言いながら、ちとせの中の人は着実に成長している、とでも言うか…。何だかんだで、外に出られるようになってきたし、最後の演劇の部分もね。そして、逃げ出したちとせの説得とかもよかったし。
まぁ、三股の決着、って部分はあるけど、そろそろ物語も終着点に向かっている、ってところかな? 霞のところのボスとかも出てきたし…。

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2008/03/28 (Fri) 22:00
(書評)QED 龍馬暗殺

著者:高田崇史

QED〈龍馬暗殺〉 (講談社文庫 た 88-12)QED〈龍馬暗殺〉 (講談社文庫 た 88-12)
(2007/03/15)
高田 崇史

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学会への出席をかねて、坂本龍馬ファンの妹・沙織と共に高知へやってきた奈々。大学時代の友人の実家がある、山奥の村へ赴く奈々だったが、四国を襲った豪雨の影響で村へ閉じ込められてしまう。そして、そこには何故か嵩もいて…。
QEDシリーズ第7弾。うーん…なんか、色んな意味で凄い作品になってしまっているような…。
タイトルの通り、今回のテーマは幕末の英雄・坂本龍馬。作中でも触れられているけど、高知=坂本龍馬、になってしまい、空港もいまや「竜馬空港」。そんな坂本龍馬の生涯、そして、最大の謎である彼の暗殺…に話題が移る。勿論、今回も殺人事件が。
土佐藩の下級武士の家に生まれた龍馬。薩長同盟を成立させ、それが倒幕の大いなる原動力になった。しかし、実際には、その存在が当時の人々に知られていたわけではなく、彼の名が知られたのは遥か後になってのこと。また、その死に付いても、様々な憶測はあっても謎だらけ…。そういう辺りは確かに面白い。
…のだけれども、本作は、これまで以上に緊迫感がない。これまでの作品でも、事件が起こっているのに、そっちのけで歴史の方を追いかけていたわけだけど、ある意味では、直接関係のないところでの話なのでわからなくもない。ところが、本作の場合、閉じ込められた村で、しかも僅か一晩のうちに次々と人が死ぬ、という文字通りに緊迫した設定になっている…はず。なのに、嵩や奈々、沙織と言った面々は延々と酒を飲みながら歴史談義に花を咲かせているだけ。さすがにこれはどーだろう?
また、落としどころについても、ちょっと微妙。事件の方は、「いつの時代?」っていう状態だし、暗殺の黒幕の方も、憶測に憶測を重ねたところでお茶を濁しているだけ、という印象。これで「QED」は不満かな?
うーん…ちょっとシリーズの中でも劣るかな、これは…。

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2008/03/26 (Wed) 16:53
(書評)ほおむステイ☆でい〜もん

著者:鯛津ゆうた

ほおむステイ☆でい~もン!ほおむステイ☆でい~もン!
(2007/01/29)
鯛津 裕太

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虫歯に苦しみ、目の前には怪我をした仔猫。そんな状況の修也は、道で出会った奇妙な壷から現れたセクシーな魔神・ペイモンの3つの願いの2つをソレに使う。そして、3つ目は、ペイモンに騙され、彼女の解放に…。けれども、ペイモンはそのことで新たな呪いがかかって、修也の側にいなければならなくなり…。
うーん…微妙。
物語としては、強大な力を持った利己的な魔神・ペイモンと、少年・修也が共に行動をすることになり、ペイモンが自分が真に解放されるため、修也の憧れの少女・綾奈とくっつけようとしてドタバタ…というコメディ。
利己的な魔神に引きずりまわされててんやわんや…っていうのは、定番で、それ自体は悪くないし、また、綾奈にも秘密があって、それを狙うヒロシ&ヤスオコンビが加わるっていうのも良いと思う。
思うんだけど…なんか、そういうのがあまり1本の話として繋がっていなくて、ちょっとバラバラに展開してしまっただけのように思う。特に後半の遊園地でのデートは、完全に2つの話が平行して、そのまま平行しただけのように思えてしまって残念。もうちょっと上手く、両者が関連付けられてほしかったのだが…。
繰り返しではあるけど、悪くはない。でも、何か、もうワンパンチほしいな、という風に感じた。

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2008/02/19 (Tue) 20:47
(書評)QED 竹取伝説

著者:高田崇史

QED 竹取伝説 (講談社文庫)QED 竹取伝説 (講談社文庫)
(2006/03/15)
高田 崇史

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新年会、崇らの語った陰陽師を絡めた昔話に続いたのは、様々な行事に纏わる話題。そして、「竹が光る」という「魔のカーブ」へ…。その頃、奈々の上司・外嶋は竹槍に刺されて死亡している男性を見つけ…
QEDシリーズの第6弾。物語としても、前作『式の密室』の続きからで、細かいところで関連性がつけられている。
今回のテーマは、竹取物語…と、そこに関連しての様々な行事とそこに纏わる「呪」「言霊」…。最短の前作とは対照的に、今作はかなりその部分が多い。
大和朝廷の拡大。支配、被支配の関係。権力争い。そして、その中で作られていく差別的な要素…。それは、現在に伝わる行事の中にも様々な形で反映していく…。(無論、全てが正しいわけではないのだろうが)その薀蓄の集大成として『竹取物語』の読み解きへと繋がっていく…。その辺りは、シリーズらしさが溢れる。
ただ、これまでのシリーズもそうだけど、今作はより、「殺人事件」との関連性が薄い。500頁あまりの文中、事件そのものを扱った部分は殆ど無いし、そもそも奈々、崇と言った面々は最後の最後まで事件と関わりすら持たない。そういう意味で、「歴史解釈と事件」のバランスが丁度良い感じた前作とは真逆で、ちょっとおざなりか? と思わずにはいられなかった。まぁ、これまでのシリーズでも、そういう面はあったわけだけど。
まぁ、シリーズの安定感はそのまま持っていると思うけど。

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