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2008/07/05 (Sat) 13:13
(書評)えむえむっ!5

著者:松野秋鳴

えむえむっ!5 (MF文庫 J ま 1-8)えむえむっ!5 (MF文庫 J ま 1-8)
(2008/06/21)
松野秋鳴

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「こ、このクソ犬野郎!」 朝から罵倒するのは、石動先輩…ではなく、何故か嵐子。突如、「S少女」として、太郎を攻撃し始めた嵐子の真意は…?(『サディスティック嵐子嬢』) など、4編を収録。
相変わらずすげぇパワー(笑) 相変わらず、M体質の太郎を「治療する」と言いながら、ひたすらに攻撃して…というのだけれども、良くぞこれだけ思いつく、と、心から感心する。本当、パワー溢れる作品だと思う。
『サディスティック嵐子嬢』は、冒頭にも書いたように、嵐子が突如、Sに目覚めて…という話。明らかに、みちる先生を喜ばせているだけのような…。ただ、今回である意味じゃ、「ライバル宣言」、「気持ちの確認」と言う要素もあるんだろうけど。
『失われたメモリー』は、太郎が記憶喪失になって…と言う話。えっと…母&姉の策略、怖いです(笑) 記憶を取り戻すところ、はともかく、そこまでで徹底的に自己嫌悪に陥る(そうなるよう、仕向けられている)辺りの面白さは流石。なるほど、3万パワーだけのことはある(笑)
『天才少女の暴走パニック!』は、天才少女に呼び出されて…と言う話。何ていうか…ここでそのネタを使いますかいな(笑) ある意味、元ネタの「元気玉」よりよっぽど強力だと思うよ…うん…。
『うれし恥ずかし拉致温泉!』は、辰吉を中心としたサイドストーリーと言ったところ。頁数的にも最も少ないんだけど、ここは結構、ストレートな恋話でなんかほっとした。…あくまでも「相対的に」ストレートってことね。他の作品と比べちゃいけない。
今回は、短編と言う形だけど…パワーは相変わらずだな、というのを再確認。

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2008/07/02 (Wed) 20:21
(書評)あいにくの雨で

著者:麻耶雄嵩

あいにくの雨で (講談社文庫)あいにくの雨で (講談社文庫)
(1999/05)
麻耶 雄嵩

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「塔に光が灯っている」 初雪の日、烏兎は、友人の獅子丸、祐今と共に、廃墟へと向かう。廃墟の入り口へ向かう足跡があるだけ。中には、遺体。そんな事件と同じ頃、高校生徒会の予算リーク事件の調査を依頼される…。
苦い。徹底的に、苦い…。
麻耶氏の作品、デビュー作から読んでいるのだが、本作はこれまでのように、メルカトル鮎や木更津と言った名探偵は登場しない。また、如月烏有も登場しない(主人公は如月烏兎という名だが、本作を読む限り、関係性は感じられなかった)
最初に「苦い」と言う感想を書いた。これは、物語そのものもあるのだが、まず構図からしても、それを狙っているのがわかる。ネタバレ…というのも何だが、まず、最初に殺人事件のトリック解明から始まる。そして、こから物語が時系列に進んでいく。なので、読者としては、事件そのもののトリックはわかった状態から入ることになるわけである(ただし、犯人はわからない)
部活を引退し、残り少ない高校生活に未練を覚える烏兎。そんな彼の前の2つの事件。殺人事件は、友人・祐今の家族を次々と奪い、彼の心を傷つける。一方の調査も、強力な力を持つ生徒会の、学園の権力闘争の正体が、烏兎を幻滅させていく。そして、事件の背後にある人間関係、事件の調査から獅子丸の人間性に対する哀しみ…。そして、最後に表される真相…。この終わり方もまた、それを強調しているように思う。
作中でも言われているが、この「異様に先鋭化された生徒会」には、多少、違和感を覚えないでもない。ただ、物語の設定、トリックなどは誰にでも受け入れやすいのではないかと思う。面白かった。

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2008/06/18 (Wed) 21:37
(書評)まごころを、君に THANATOS

著者:汀こるもの

まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス―THANATOS (ミI-02))まごころを、君に THANATOS (講談社ノベルス―THANATOS (ミI-02))
(2008/05/09)
汀 こるもの

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「ねえねえ、立花くんって名探偵なんでしょ?」 クラスメイト、そして、美樹によってさせられた真夏の「グッピー凍死事件」。その縁で、美樹と柳瀬は親友へとなる。かつて、生物部でイジメを受けたという柳瀬のため、生物部へと向かう美樹だが、「案の定」…
パラダイス・クローズド THANATOS』のシリーズ2作目。
前作は、かなり「本格の否定」「本格への皮肉」と言うようなカラーを強く感じたのだが、本作は、ミステリとしての形は、非常にオーソドックス。文化祭の当日、生物部で起こった爆破事件。時限発火装置を使ったと思われるものの、一体、何が時限装置なのか? そして、犯人は…と。そういう部分があり、立花兄弟の抱えているもの、背負っているもの…と言う掘り下げがあり、しかも、終盤、もう一つの真相への言及あり、となかなか盛り沢山の内容。
…なのだが、正直、序盤はひたすら薀蓄。ひたすらアクアリウムに、グッピー…。読んでいて、ミステリ小説を読んでいるのか、グッピーの買い方、歴史と言った薀蓄本を読んでいるんだか…と言う感じがした(笑) ちゃんと、それらにも意味があるんだけど…作中の登場人物すらもが「引く」勢いで語らせないで(笑) 私自身は、そういう薀蓄自体も嫌いではないのだが、目的が見えず、続くので、ちょっと「?」という部分があったのは確か。「事件」である爆破事件が起こるまで、実に半分近い時間が、グッピーの話になっている(その後もしばしば出てくるが…)
中盤、話が動き出してからは、それなりに楽しめただけに、もう少し、構成のバランスが取れていれば…と言う風に思う。

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2008/06/11 (Wed) 20:08
(書評)ラットマン

著者:道尾秀介

ラットマンラットマン
(2008/01/22)
道尾 秀介

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高校時代に結成したバンド。そのメンバーである姫川亮には、誰にも言っていない秘密があった。元のメンバーであるひかりの妊娠、ひかりの妹である桂との関係。そして、事件が…
道尾さんの作品。これまでも何度となく「こういうことか…」と思わされたのだが、本作はその中でも特に捻られたものであると思う。
まず、物語の構成そのものが非常に特徴的。主人公である亮が、幼き日に遭遇した姉の死。事故死として処理されたその死には、秘密がある。その秘密を抱えながら生きている。そして、現在、主人公もまたあることをして…。つまり、過去の事件の謎を追いながら、同時に倒述モノ、と言う二つの形が同時に進行する。まず、このアイデアの時点で「凄いな」と感心してしまった。
物語のタイトルでもある「ラットマン」。その意味するところから、この作品に仕掛けがある、と言うことは想像される。そういうものなのだろう、と言うのは判る、が、それでも、「こう来たのか〜」と言う感想になってしまう。私自身が、完全に「ラットマン」の絵で説明される効果に嵌っていたことに気づかされる。そして、同じことは作品の登場人物たちも…。
いや〜…参りました!

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2008/06/09 (Mon) 17:35
(書評)林檎と蛇のゲーム

著者:森川楓子

林檎と蛇のゲーム このミス大賞シリーズ林檎と蛇のゲーム このミス大賞シリーズ
(2008/05/08)
森川楓子(もりかわ・ふうこ)

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小学4年のとき、ママが交通事故で亡くなって5年。中学3年になった珠恵が帰宅すると、パパと一緒に女の人が。そして、その女の人・水野さんは、パパの古い友人で、パパが出張している間、珠恵の世話をするように頼んだのだという。水野さんとの生活が始まった早々、飼い猫のミルクが行方不明になり、そして、事件に巻き込まれてしまい…
第6回『このミス』大賞、隠し玉受賞作。
著者が、元々、ジュニア小説を書いている、なんていうようなところもあるのかも知れないが、まず柔らかい雰囲気の作品、というようなことを感じた。
突如現れたパパの古い友人と言う女性。当然、恋人か何かか? と中学生である珠恵は訝る。そんなとき、巻き込まれてしまった事件と、何故か家にある一億円の現金。事件の犯人は誰か? と、一億円の出所はどこか? いきなり2つの謎が提示されて物語が展開する(水野さんの正体を含めれば3つか…)
と、言いつつ、実は珠恵の行動などは少なく、水野さんの語るパパの過去が物語の多くを占める。珠恵が知らなかったパパの子供時代、祖母との関係。水野さんとパパの関係に、パパとママの出会い。自分が知らなかった、自分が生まれる前の若き日のパパ、両親の姿に色々と想いを募らせ、自らも成長する。そんな物語のメインになるのだと思う。ダークに描けば、とことんダークにも描けるであろうテーマを、あくまでも優しい、柔らかなタッチで描いているのは見事。
かなり思い出話の割合が多く、終盤、どういう決着をつけるのか? と思ったところ、しっかりとまとめてはきているものの、ちょっと力技かな? と思ったところはある。実際に巻き込まれた事件そのものの割合が少ないのでは? と思う部分もあるし。致命的ではないけれども、もう少ししっかりと両者が絡んでいれば、より良かっただろう、と感じた。
とは言え、最初から最後まで楽しく読める佳作に仕上がっていると思う。

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2008/05/22 (Thu) 16:17
(書評)少女ノイズ

著者:三雲岳斗

少女ノイズ少女ノイズ
(2007/12/14)
三雲 岳斗

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幼い日の出来事から、ある特殊な趣味を持つようになった大学生・高須賀は、准教授である皆瀬梨夏にバイトを紹介される。そのバイトとは、塾の講師。ただし、講義を行うのではなく、少女・齋宮瞑の相手をすること…
という形で始まるわけだけれども、内容としては、塾やその周囲で起こった事件を高須賀と瞑の二人で真相を明かす、と言う形のミステリの連作短編。
やっぱり、この作品の場合、その登場人物のキャラクター造形が特徴になるのだと思う。犯罪に興味を持ち、その周囲の写真を撮る主人公・高須賀。離婚の危機にある両親の最後の絆として、普段、優等生を演じ、反動で塾では自堕落この上ない瞑。しかも、その性格は冷徹で、極端な正義感を持つ。どちらも微妙な歪みを持った両者を中心にしたやりとりは面白く、また、歪んでいるが故の魅力のようなものもある。
ミステリとしてみた場合、瞑の語る真相そのものはしっかりとしてる。ただ、瞑が事件について聞いたところで本人は真相にたどり着き、あとはその確認のため…という形になるため、アッサリ…というか、トリックであるとか、事件そのものであるとかの印象がちょっと弱い気がする。ただ、そこまでアッサリと真相を見抜く瞑…と言う辺りが魅力的とも言えるので、短所とは言い切れないのだが。
キャラクターの魅力を前面に押し出したミステリ、という風に捕えるべきなのだと思う。

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2008/05/21 (Wed) 22:06
(書評)四畳半神話大系

著者:森見登美彦

四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)四畳半神話大系 (角川文庫 も 19-1)
(2008/03/25)
森見 登美彦

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私は大学の3回生。これまでの生活を振り返っても、バラ色のキャンパスライフとは程遠い。悪友の小津に振り回され、樋口師匠に理不尽な要求をされるばかり。そんなになってしまったのは、1回生の春、時計台の下で貰ったビラの選択を誤ったからにちがいない…。
あたたたた…(笑)
一応、形としては連作中編と言うようなことになるのかな。1回生のときに貰ったサークル勧誘のビラ。その中で気になった4枚。もし、そのとき、別のビラのサークルに入っていれば…と言う4つのパターンの物語。映画サークル、弟子求ム、ソフトボールサークルに、秘密組織、それぞれの結末。
基本的な物語のパターンは同じだし、部分部分では全く同じ文章もある。それぞれで、少しずつ違ってはいるんだけれども、小津に振り回されるのは一緒だし、謎の樋口師匠に巻き込まれてみたりするのも一緒。そして、それぞれがやっぱり「他のにしておけば…」と言う思考へ…。
最初の1編で、デビュー作である『太陽の塔』に近いイメージは抱いたのだけれども、2編目からは、それぞれの選択の結果と、でも根本的にはあまり変わっていない現実のギャップが活きてきてより、「あたたた…」と言う感じで笑いながら読むことが出来た。また、ワンパターンながらも、それぞれを描き分ける、というのが大変だったろうな、なんていうことも思う。
面白かった!! …んだけど、何かズキっと来るのは何ゆえ?(苦笑)

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2008/05/21 (Wed) 09:11
(書評)作者不詳 ミステリ作家の読む本

著者:三津田信三

作者不詳―ミステリ作家の読む本 (講談社ノベルス)作者不詳―ミステリ作家の読む本 (講談社ノベルス)
(2002/08)
三津田 信三

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魅力的な町並の街で見つけた古書店。三津田は、そこで一冊の同人誌を手に入れる。『迷宮草子』と書かれたその同人誌を読んだ、三津田は、そこに記されたものに纏わる怪異に襲われる。怪異から逃れる手は一つ。その謎を解くこと。三津田は、友人の信一郎と共に謎に挑む…
一応、『ホラー作家の棲む家』の続編に当たる作品。ただ、前作を読んでいなくても問題はない。
『迷宮草子』と言う同人誌に綴られた7編の物語。その謎を解かなければ、その怪異に飲み込まれる。物語そのものは、1つの物語を読み、その謎を解き、次の物語へ…という形のため、長いのだけれども、連作短編のような形で読むことになった。
本作の場合、怪異、というものはあるが、それはタイムリミット、謎を解くための背景、という形でどちらかと言うと、ミステリ小説、と言う印象が強い。それぞれ、記録として描かれた物語。その記述だけをヒントにして謎を解く、というのは安楽椅子探偵的な趣がある。解答そのものは、比較的、簡単に想像されるものから、かなり難解なものまであるのだが、そこに関して、三津田、信一郎両者の薀蓄などを交えて語られ、なかなか面白かった。
正直、『迷宮草子』そのものに関する謎、物語全体のまとめ部分に関して言うと、これまで私が読んだ他の三津田作品と同じような部分が多く、実は想像できてしまった。この辺りがちょっと残念。
ただ、そこに至るまででも、十分に面白かった。

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2008/05/18 (Sun) 20:10
(書評)モーフィアスの教室2

著者:三上延

モーフィアスの教室 2 (2) (電撃文庫 み 6-21)モーフィアスの教室 2 (2) (電撃文庫 み 6-21)
(2008/03/10)
三上 延

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悪夢を見ないため、岸杜家へと転がり込んできた綾乃。直人と綾乃の関係を巡り、水穂は怒り、棗もまた、何も言わずに様子のおかしい直人、綾乃に首をかしげる。そんな中、再び悪夢が…
前巻で、ちょっと弱かった水穂、棗といった辺りが今回、思いっきり(ラブコメ分として)絡んできて良い感じ。何、このブラコン妹(笑) まぁ、今回はもう一人、シスコン兄貴もいるわけだけど。ただ、少なくとも言えるのは、野木くんはマニアックじゃないと思います!!
で、物語のほうは、と言うと、今回も非常に安定した上手さはある。ただ、やっぱり、上手いんだけど、手堅すぎてサプライズに欠けるかな? と言う感じは残る。
今回は最初から誰が悪夢の「親」なのかは、明らかであるし、また、それを直人たちが発見するに至る過程にしても、お約束の部分が多いだけに…もうちょっとサプライズがあれば、もっと面白かったんだろうな、というのは思う。事情を知って棗が…なんていうあたりにしても、「そうなるだろうな」の範囲内だし。
今回、マダムが棗のことを言っていたわけだけど、それに関しても、三角関係とかそういうところで…なんだろうな、と予想してみる。

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2008/05/14 (Wed) 22:19
(書評)痾

著者:麻耶雄嵩

痾 (講談社文庫)痾 (講談社文庫)
(1999/01)
麻耶 雄嵩

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和音島での事件の後、部分的記憶障害で事件、そして、桐璃についての記憶を喪った烏有。職場に復帰し、訪れた芸術家の家でかつての恋人ににたわぴ子と出会う。そして、何かに憑かれたように放火をし、そこには他殺体が…。
物語そのものは『夏と冬の奏鳴曲』の続編で、思いっきりそのネタバレもある作品。なので、まずはそちらを読んでいただきたい。
本作に関しても、ミステリーとしてみると「?」という部分がある。ただ、そこではなく、その中で語られる烏有のそのものの絶望感が凄まじい。
自分でも良くわからないうちに放火へ走ってしまう烏有。そこにある他殺体と、自らの元へ届く脅迫状。恐怖に駆られ、自分の側にいる桐璃に対する記憶はない。一方で、かつての恋人と、それににたわぴ子の存在。とにかく、その焦燥、恐怖、絶望がヒシヒシと伝わってくる。
物語の結末についても、それは言える。真相が判明して烏有が得るのはただの絶望。しかも、その後、これでもか、と追い討ちをかけられる。よくぞここまで…と言う感じがする。「もう慣れた」の言葉が、凄まじく痛々しく伝わってくる。
先にも書いたが、ミステリーとして考えると、このトリックは「おい!」と言う感じであるし、相変わらずメルカトルやらが訳がわからん、という部分もあり、評価は分かれそう。ただ、それらを含めても、この絶望感は痛烈だった。

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