(書評)犯罪小説家

著者:雫井脩介

犯罪小説家犯罪小説家
(2008/10)
雫井 脩介

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新鋭作家・待居涼司。彼の出世作となった『凍て鶴』に持ち上がった映画化。その監督には、やはり気鋭の脚本家・小野川充が抜擢される。打ち合わせという形で、顔を合わせる二人だったが、小野川が、そのヒロインと、かつて社会を賑わせた自殺サイトの管理人を重ね合わせたことで…
うーん…なんか、変な気持ちの悪さが残った…というのが読了後に思ったこと。
「心理サスペンス」とあるわけだが、確かに、色々な不気味さはある。冒頭は、とにかく、人の話もろくに聞かず、ただ、待居の心も関係なく、半ば伝説化した自殺サイトの管理人と関連づけていく小野川の執着、、その中の強引さ、不快さの中に不気味さを感じる。ところが、読んでいるうちに、それとは別の形で待居に対しても…。そして、全てが判明した最後の最後で出てくる「物書き」の心の闇というか、不気味さというか…そういうものへ、と…。そういう意味では、確かに「心理サスペンス」だし、その面白さは出ていると思う。
なのだが、どうも、作品全体の構成からちょっと…感じるところが出る。序盤、待居の視点で物語が進むのに、途中からいきなり、参考に、という自殺サイトについての著書があるノンフィクションライター・今泉に視点が変更。そして、最後、かなり…な形で黒幕の視点へと物語が変更されてしまう。なんか、その辺りの視点の変更に伴う違和感が残った。自殺サイトを巡っての物語の方も、憶測を重ねてその通りでした、というのでちょっと肩すかしを食らった感じだし、なんか、全体的に不満が残った。
久しぶりの雫井さんの作品ということで、かなり期待していたのだが、ちょっと残念。

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COMMENT 6

藍色  2008, 10. 19 [Sun] 04:42

トラックバックさせていただきました。

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たこやき  2008, 10. 20 [Mon] 16:05

藍色さんへ

TBありがとうございます。
返させていただきますね。

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そら  2009, 01. 23 [Fri] 20:57

>視点の変更に伴う違和感が残った。

なるほど~,私が途中で主人公がだれだか分からなくなったのも,
そのせいなのかなぁと思ったのでした。

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たこやき  2009, 01. 24 [Sat] 08:15

そらさんへ

最初から、多視点で描かれた作品ならともかく、いきなり重要なところを別の視点で、という書き方にちょっと変な気分になってしまいました。
待井について、疑惑を深めるのなら、最初から今泉を出しても良かったと思いますし、待井の視点だけで待井に読者が疑念を覚えていく…というのも出来たんじゃないかな? と思います。
雫井さんに色々と期待している、というのもあるんでしょうけど、構成そのものにちょっと違和感を覚えて、上手く作品に乗れませんでした。

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エビノート  2009, 11. 05 [Thu] 20:47

こんばんは。
オノミツの不気味さが一番印象に残ってます。
最初はクドカンを想像してたんですが、最後は全然違う印象になっちゃいました(^_^;)
全て計算されつくした行動だったら…と期待してたので、ラストはちょっと肩透かしだったかなぁ。

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たこやき  2009, 11. 06 [Fri] 23:39

エビノートさんへ

本当、オノミツの不気味さというか、不愉快さというか…キャラクターは強烈ですよね。
確かに、プロフィールとかからすると、そんな寛二ですよね。

…というか、『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』とかが映画化されたわけですが、雫井さん、そのときに着想を得たのかな? とか、余計なことを思ってしまいました(^^;)

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