FC2ブログ

(書評)散りしかたみに

著者:近藤史恵

散りしかたみに (角川文庫)散りしかたみに (角川文庫)
(2001/08)
近藤 史恵

商品詳細を見る


公演中、花が散る。公演中の珍事に、女形・小菊は、師匠の命もあって友人の探偵・今泉に調査を依頼する。だが、その直後、彼は「引っかき回さない方が良いこともある」とだけ残し、降りることを宣言してしまい…
ねむりねずみ』と同じく、梨園を舞台に、そして、小菊、今泉、山本らが登場。実質的には、シリーズ2作目、と言えるが、こちらから読んでも、それほど問題は無いと思う。
今泉が登場する『ねむりねずみ』『ガーデン』もそうだが、本作も、読み終わってその何とも言えないもの悲しさ、どうしようもない切なさ…そんなものが残る。
事件そのものは、極めて地味。舞台上に降り散る一枚の花びら。誰が、どうやって、何のために行っているのか? 殺人や誘拐などと言った派手さはないものの、却って難しいものがそこにある。そして、その途中に挟まれるもう一つの視点での物語。ある程度は、それで先が読めるもの…。
多少、このトリックはアンフェア気味なところはある。あるが、それでも、この読み終わった後のやりきれなさは強く残る。役者、梨園…そういうところだからこその悲劇。もし、そこでなければ…。
近藤さんの作品は、何冊か読んできたが、それぞれの、そのやりきれない悲しみ。そんなものを感じさせてくれるように思う。

通算1468冊目

にほんブログ村 本ブログへ



http://tmxxb1973.blog82.fc2.com/blog-entry-1147.html
スポンサーサイト



COMMENT 0