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(書評)本格的 死人と狂人たち

著者:鳥飼否宇

本格的―死人と狂人たち (ミステリー・リーグ)本格的―死人と狂人たち (ミステリー・リーグ)
(2003/09)
鳥飼 否宇

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綾鹿市にある綾鹿科学大学を舞台とした中編3編+αな本作。
…なんていうか…「変な作品!」。
内容紹介のところに、「へそまがり理系ミステリー」という文章がある。まぁ、確かに、舞台となるのは科学大学であるし、それぞれ、理系科目を専攻し、そういう専門用語だとかを散りばめているのだから、言えなくはない。でも、なんか、東野圭吾氏の『探偵ガリレオ』シリーズみたいな、ああいうのを期待すると、ちょっと…ではななく、かなり肩すかしを食らうことになると思う。
興奮すればするほど、頭脳が冴えるという数理学研究科の助教授・増田米尊を主人公とした『変態』。確かに、彼は変態である。間違いなく。生物学科の新米講師・上手を主人公とした『擬態』。謎解きとかはともかく、かなり、著者の趣味が入っている気がする。生命科学研究所の学長・関宏子が、ふとしたことから耳にした「クローン」の言葉、そして、誘拐事件という『形態』。前2編と比べれば、かなりオーソドックスなように思う。
ミステリとしてのそれは、比較的オーソドックスな形ではあると思う。しかし、『変態』は、文字通り、変態である増田のキャラクター抜きには語れないし、『擬態』は、謎解きはともかく、その真相にかなり苦笑いを浮かべざるを得ないところがあると思う。そういう意味でも、「変」なのである。
そして、最後にある読者への挑戦状と、解決編とも言える『実態』のやりとり。正直、「おーい…」という感じ。
これまでも、『痙攣的』とか、著者のトンデモミステリを読んできたけど、本書もその流れに位置づけられるのだと思う。

通算1473冊目

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