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2008/12/27 (Sat) 16:59
(書評)首無の如き祟るもの

著者:三津田信三

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)
(2007/04)
三津田 信三

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奥多摩の媛首村。そこでは、村の中央にある媛首山を囲む形で、旧家である秘守一族が守っていた。その一族は、かつての淡首さま、というものの祟りを恐れ、同時にまつる日々。そんな村で戦中、戦後に起こった事件が、同人誌『迷宮草子』に投稿され…
一応、作品としては、刀城言哉シリーズの第3作目、ということで良いのだと思う。
物語は、その媛首村で起こった事件の様子。村の長とも言える秘守一族は、一守、二守、三守という3家に分かれ、一守が頂点に立ち、そこが途絶えると、二守が…という形で権力の交代が起こる。無論、その主導権を巡っての諍いはあり、また、一族の常として、女は強く、男は病弱に生まれる、ということも。戦中、一守家で起こった嫡男・長寿郎の十三の儀。そこで、長寿郎の双子の妹が死に、10年後、二十三の儀でも…。
物語は、そんな村に滞在する駐在警官の高屋敷と、一守の家に仕える小僧・斧高。二つの視点で綴られる。厳戒態勢で行われた媛首山の儀式。大きな意味での密室状態の起こった事件は、怪異なのか? それとも人為的なトリックなのか? そこを中心に物語は進む。
このシリーズ、1作目、2作目、そして、本作とそれぞれテイストが異なる印象。1作目はとにかく、その怪異性に幻惑され、2作目は、いかにも「本格」という印象の物語。そして、本作は、それぞれに意味を残す緻密な構成。そういう部分も、最初に「シリーズと言っても良いのだと思う」という印象にさせるのであるが。とにかく、終盤のひっくり返し方は見事だった。
やや、終盤、(想像はできるが)曖昧な部分が残るのだが、この辺りは、好みの問題か。
ただ、そのこだわり方であるとか、そういうものを強く感じた作品。

通算1499冊目

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