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(書評)遠まわりする雛

著者:米澤穂信

遠まわりする雛遠まわりする雛
(2007/10)
米澤 穂信

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「省エネ」をモットーとする折木奉太郎。そんな彼が姉の言葉もあって神山高校古典部に入ってからの1年を綴った連作短編集。
一応、物語としては、それまでのシリーズ『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』の間のちょっとした出来事、そして、『クドリャフカの順番』より後の出来事を描いた格好。
これまでのシリーズ、というか、米澤氏の作品全てに共通するものとして、「ちょっとほろ苦い後味」と言うものがあるのだけれども、本作に関して言うと、抑え目という印象。放課後の呼び出し放送の意味を問う『心あたりのある者は』とか、納屋に閉じ込められてしまい、脱出方法を考える『あきましておめでとう』などは、全くと言って良いほど後味の悪さはない。非常に安心して読める「日常の謎」と言う印象が強い。
そして、もう一つの点が、奉太郎の態度の変化。千反田との距離感の変化とともに「省エネ」をモットーとする奉太郎の態度にも変化の兆しが見えてくる辺りが見て取れる。そこには、里志の態度であるとかも影響しているのだろうが、そこも、こういう連作短編だからこそ、より強く感じられる部分じゃなかろうかと思う。
最後の『遠まわりする雛』の結末。これは、シリーズの1つの区切り、とも考えられるし、また、新たな段階への第一歩とも考えられる。(これまでの後味の悪いラストとは違った形で)シリーズが続くのか、という部分も含めて凄く気になる終わり方ではある。

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COMMENT 2

エビノート  2008, 02. 05 [Tue] 20:50

こんなに早く、そっちへの展開が来るとは思ってもみませんでした。なので、続きがとっても気になりますね~♪早く読みたいです。

新ブログの開設おめでとうございます。
そして、移転作業もお疲れさまでした。
今後ともどうぞよろしくお願いします♪

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たこやき  2008, 02. 05 [Tue] 23:07

エビノートさんへ

普段の米澤さんの作品とは違うんですけど、やっぱり色々と後で思うところの残る後読感ですよね。

>そっちへの展開

ただ、ここは、この作品内ではそうですけど、4作目ですからね…時系列で考えれば、そこまででもないのかな? とも思います。どちらにしても、今後が気になります(里志も、ですが)

ブログは新しくしてましたが、これまでどおり、またよろしくお願いします。(旧ブログの方も、記事などは残していますので、そちらもよろしくお願いいたします)

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