(書評)天帝のみぎわなる鳳翔

著者:古野まほろ

天帝のみぎわなる鳳翔 (講談社ノベルス)天帝のみぎわなる鳳翔 (講談社ノベルス)
(2009/02/06)
古野 まほろ

商品詳細を見る


何の因果か、帝国の制式空母『駿河』に乗艦することになったまほろ。叛乱の芽を摘む、その命を受け、儀典少佐として乗り込むまほろだったが、探偵小説の神はまたもや、まほろに試練を与える…
『天帝の愛でたまう孤島』で、シリーズの三部作として一旦急死、そして、(世界観を同じにするとは言え)別シリーズもスタートした著者だけに、どういう形になるかと思いきや、これまでの三作を踏襲した作品になっているように思う。
相変わらずの、ルビ多発の文章。その文章に彩られた殺人事件。終盤の犯人当てにおける推理合戦。そして、お約束とも言える「あの人」の登場…と、これでもか、と完全にこれまでのシリーズにおける「形式美」を追求しているように思う。大体、今回のエピソード、「あの状況下で」推理合戦やっている場合なのか? というのもあるし(笑) その辺りが、こだわりなのだろうな。
内容紹介には、「日本本格史上最大級の3000人殺し」という言葉が踊っているけど、あまり、そこは…という気がする。確かに、3000人殺しは起こっているけど、それはミステリとしての部分とは言い難いし…。『コズミック』(清涼院流水著)における、「1200の密室で、1200人が殺される」というようなものとはかなり印象が異なる。実際にミステリとしては…ごほん、ごほん…めるど…。
シリーズ4作目だけに、既に読んでいるのは、この文体とかに慣れた人間と言うことになると思う。なので、わざわざ注意書きなどをする必要はないと思うのだが、今作は、これまで以上に作品世界の、世界情勢などが関わってきている。これまで、あまり、作品世界の世界観はあまりメインとは言い難かったのだが、今後、そちらが広まってくる、ということもあるのかも知れない。

通算1611冊目

にほんブログ村 本ブログへ



スポンサーサイト

COMMENT 0