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(書評)首挽村の殺人

著者:大村友貴美

首挽村の殺人首挽村の殺人
(2007/07)
大村 友貴美

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12月の下旬。無医村状態が続いていた東北の村に、待望の医師がやってきた。村での目下の話第は、その医師・滝本と、村へたびたび侵入する大きな「赤熊」の話第ばかり…。そんな中、立て続けに、村人が変死し…
第27回横溝正史賞受賞作。
雪に閉ざされた過疎の村。人々は、高齢化し、熊による被害も多く出る村。かつては、何度も飢饉に襲われ、そのたびに、悲しい歴史を刻んできた村。その歴史は、今なお伝えられる。そんな村で起こる連続怪死事件…。
「横溝正史の雰囲気を持つ作品」というのが、本書に対してつけられたコピーであるが、確かに、設定などを考えると、その通りと言えると思う。しかも、ただ、閉ざされた、古い伝承の残る村、というだけでなく、過疎化、無医村等というような現代的な要素をちりばめる辺りの意欲も買いたい。終盤、それが犯人特定の大きなヒントとなる辺りも含めて。
ただし…全体として考えると、今一歩という印象がぬぐえない。様々な要素をちりばめてはいるのだが、それらが上手くかみ合っておらず、散漫な印象が残る。
本書の問題点の1つは、著者の描写力であると思う。巻末の選評でも、キャラクターのかき分けが…と指摘されてるが、それはその通りで、他にも、村全体の立地であるとか、そういうのもイマイチわからなかった。そして、事件についてもアリバイが、とか、密室が、というタイプでないにも関わらず(しかも、殆ど触れていない)、終盤で「こういう理由で、犯人は…」となってもちょっと…という感じになる。大体、警察が少し調べれば事件が大きくなる前に終わったような気がするのだが…。
著者の意欲は買うものの、意欲が空回りしてしまっているような感じがぬぐえなかった。

No.1628

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