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(書評)3way Waltz

著者:五條瑛

3way Waltz (祥伝社文庫)3way Waltz (祥伝社文庫)
(2007/07)
五條 瑛

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死者500名を超す大惨事となった16年前の航空機事故。その背景には、謀略が? 日本へと潜入した北朝鮮工作員・由沙、そして、被害者の息子というだけのはずの恭祐の周囲に現れる変化。日、米、朝…三つ巴の争いが始まる…
一応、五條氏の「鉱物シリーズ」の番外編、ということになるらしい。エディ、葉山らも登場はする(葉山は、名前はでないけど、職業とかでバレバレ(笑))
謀略小説、ということはあるのだけど、そこで描かれる事件だとかが、いちいち、現実の出来事を彷彿とさせるものが多くて、そういう点でまずすぐにイメージがわいた。冒頭の航空機事故。これは、日航機事故というよりも、個人的には、大韓航空機爆破事件的なイメージが強く、また、作中で現れる外務省と外務大臣の争い、というのは、田中真紀子氏のあの争いなどをどうしても覚えてしまう。そして、そんな16年前の事件を巡っての争い…
物語の中心となるのは、なぜ、恭祐が狙われるのか? という点と、工作員・由沙の狙いは何か? という点。恭祐に接近し、母の残したものを…というものたち。その中には、由沙も。しかし、彼女は、なぜ、この段階で再び表へと現れたのかわからない。物語の中で綴られていく、恭祐の秘密と、家族との絆…。
全体を通してみると、謀略もありながらも、恭祐の成長を描いた物語と言えるのかな? と思う。物心つく前に死んだ母。父は再婚し、継母、そして、義兄たちとは折り合いが悪く、反発もする。そんな彼が、事件を通して、親の思いを知る…。なんか、イメージとして、『断鎖』の亮二とも重なるところがある(突っ張ってはいるけど、性根は正直で優しい性格、とか、そういうのも含めて) その一方で、本物の諜報員であるエディのふてぶてしさとか、由沙の強さ、とか、各々の人物描写も光っている。
鉱物シリーズ本編などと比べると、やや小粒かな? とは思うものの、恭祐の成長とか、そういうのを含めて、まとまりはよく楽しめた。ただ、本編を読んでいないと、アナリストとか、やたらと意味ありげに出てきて…というのがあるだけに、ちょっと理解しづらいかも知れない…とは思う。
でも、五條さんのファンとして、十分に楽しめた。

No.1637

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COMMENT 2

そら  2009, 04. 20 [Mon] 15:47

>謀略もありながらも、恭祐の成長を描いた物語と言えるのかな?

でしたね~。だから読みやすかったという気がしました。

そういえば鉱物シリーズ,いつになったら続きが出るのかしらね~(*^_^*)


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たこやき  2009, 04. 23 [Thu] 11:29

そらさんへ

こんにちは~。
物語で、描きたい部分がハッキリしている、というのは読みやすいですよね。

>そういえば鉱物シリーズ,いつになったら続きが出るのかしらね~(*^_^*)
確かに、いつになったら…???(^^;)

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  •  「3way Waltz スリーウェイ・ワルツ」五條瑛
  • これぞスパイ小説! 最後まで驚きがあり,おもしろかったです。 ★★★★☆ 16年前の飛行機墜落事故。 あれは本当に事故だったのか。...
  • 2009.04.20 (Mon) 15:42 | 日だまりで読書
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  •  【五條瑛】3Way Waltz
  •  気が付けば一週間ぶりの更新。文庫落ちしていない『君の夢はもう見ない』は飛ばして「鉱物シリーズ」番外編の第三作。一作目の『夢の中の魚』と同時に買ったものの、読みごたえのありそうな厚さなこともあり4ヶ月以上積読状態だったものを、満を持して読み始めたのだが?...
  • 2009.04.23 (Thu) 01:53 | higeruの大活字読書録