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(書評)シンメトリー

著者:誉田哲也

シンメトリーシンメトリー
(2008/02/21)
誉田 哲也

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姫川玲子を主役とした7編を収録した連作短編集。
駆け出し時代の思い出を描いた『東京』から始まり、やはり思い出話となる『手紙』、その間も、「正義」と「悪」、「右」と「左」、と対称的な中身、タイトルが続き、丁度4編目のエピソードが『シンメトリー』。初出の時期が、バラバラであることを考えても、ある程度たまったところで、こうなるように構成した、という感じだろうか。
これまでの長編でも、姫川玲子の天才的なひらめき、直感が強調される部分が多かったが、本作に関して言えば、事件そのものが小粒だったりすることもあり、一発で犯人へ。そういう意味で、謎解きの要素は薄い印象が残る。ただ、その分、姫川玲子の、犯人の…心理描写や、犯人とのやりとりが強調されているように感じた。
次々と薬物で死者が出る中、その共通項として現れた女子高生との対決に絞られた『右では殴らない』。まだ、所轄時代の事件の思い出をした語った『手紙』。作中の構成としては対称の部分ではないが、その双方のまとめ方などはやはり「シンメトリー」的なものを感じてしまう。
発表時期に差があったりするためか、多少、姫川玲子のキャラクターがそれぞれの編で違うような印象を受けるところは気になったものの、それぞれ、上手くまとめられている、という風に言えるのではないかと思う。

No.1676

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