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(書評)テロリストが夢見た桜

著者:大石直紀

テロリストが夢見た桜 (小学館文庫)テロリストが夢見た桜 (小学館文庫)
(2006/03/07)
大石 直紀

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「博多発東京行きののぞみ16号を乗っ取りました」 新幹線運行本部にかかってきた一本の電話。犯人は、100万ドルの身代金と拘留中のテロリストと来日中のパウエル国務長官のテレビ生討論を要求する…
冒頭、湾岸戦争の勃発と、そこでの軍人の挫折があり、そこから、新幹線の乗っ取り事件。物語の導入としては申し分ないし、また、そこからもテンポ良く展開していく物語はうまい。そういう点で最初から最後まで、飽きずに読ませるだけの力はある。
また、シンプルながらも、警察の突入を防ぎながら新幹線を進ませ、そして、逃走する、という方法も面白い。
ただ…正直、イマイチ、盛り上がりに欠けたかな? という感が否めない。警察官、人質をまとめる側の車掌、犯人…というような、多視点で物語が展開するのであるが、警察などが、「もしかしたら…」という犯人の糸口をつかむと、いきなり犯人の回想シーンでこうだったのです…という形になってしまうのが続き、何かすっきりとしない。こういうのって、警察の側の必死の捜査でつかみ取っていく、というのが一つの見せ場だと思うのだが…。また、終盤になると、犯人が事件を起こした直接の動機や、逃走を巡る話が描かれるのだが、あまりに警察の目が節穴すぎないだろうか? ちょっと都合良く行きすぎだと思う。
悪い作品ではない。それなりに楽しめる。でも、欠点だとかも多く、何か読み終わって物足りなさを感じてしまう…というような評価になるだろうか。

No.1688

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