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(書評)まほろ市の殺人 夏 夏に散る花

著者:我孫子武丸

まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)まほろ市の殺人 (ノン・ノベル)
(2009/03/11)
有栖川 有栖 我孫子 武丸倉知 淳 麻耶 雄嵩

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デビューはしたものの、作品も売れず、2作目も書けない作家・義一の元へ届いたファンレター。同じ市内に住む少女・みづきからの激励に感激した彼は、やがて、彼女と会うことにするのだが…
海沿いに位置する地方都市「真幌市」を舞台とし、春夏秋冬、4人の作家がそれぞれの季節に起きた事件を描く、という、祥伝社文庫の企画として発表された1作。
ファンレターをきっかけに知り合った少女に恋心を抱く義一。手紙や、ちょっとしたやりとりの間にある不審なところもあるものの、それでも気持ちは収まらない。少しずつ、関係を深めていくが、殺人事件が…。
顔の見えない相手に、少しずつ気持ちを募らせていく。それは、付き合うようになっても。けれども、殺人が起こってからは急転直下の展開へ…。
長編のアイデアとして考えれば、冗長になっていると思うし、反対に、短編であったとすると短すぎたと思う。本当に、中編向きだと思う。終盤の、急転直下の展開を超えて、色々と思いを残すエンディングと非常にまとまりの良い話に仕上がっていると思う。
ただ、敢えて言うなら…「真幌市って舞台が殆ど有名無実化している」というところだろうか。地名であるとか、そういうところで設定は出ているが、別にその地名などをなくしたり、他のものに置き換えても全く問題がない。コンセプトがあまり生きていないように感じるのだ。そこがちょっと気になるのは確か。
ただ、作品としての完成度は非常に高いと思う。

No.1689

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