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(書評)紅はくれなゐ

著者:鷹羽知

紅はくれなゐ (電撃文庫)紅はくれなゐ (電撃文庫)
(2009/06/10)
鷹羽 知

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周囲から独立した存在で活況を見せる吉原。そんな吉原では、謎の連続変死事件が頻発する。被害者は検分に訪れた高官と遊女…。不穏な空気が流れる中、吉原一の妓楼・秋月楼の花魁・紅の元に、脅迫状が。周囲の反対を押し切り、花魁道中への参加を決める紅だったが…
なんか、タイトルと、途中までの展開を見ると時代小説+ミステリみたいな感じで、そういう部分はあるのだけど、後半は、思いっきり振り切られた印象。また、作品世界としても、「吉原」という地名こそ実際にあるものなれど、異人たちが闊歩していたり、地名が現実のそれと違うとか、そういうので、和風ファンタジーというような印象が強い。
で、正直なところ…これは、どこを主題にしたかったのかな? というのがちょっと難しい。ヒロインであるところの、紅を中心として配置された人々、そして、その中での紅への一貫したイメージなどはわかる。
また、例えば、虚勢を張って、自警団のリーダーとして生きているベルガモットとか、紅にほのかな思いをいだく秋月楼の若・犬槙辺りもしっかりとしているとは思う。
ただ、物語の流れをメインで動かす2人。紅と、高官のリーダー格・能郷の目的がイマイチよくわからなかった。彼らは結局、何をしたかったのかよくわからなかっただけに、「あれ?」というのが残る。また、「吉原」とか、花魁とか、そういう部分の日常が弱くて、舞台設定についても生かし切れていないところを感じた。
部分部分としては、非常に面白いところを感じるだけに、「惜しい」という感じが残った。

No.1718

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