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『元気な脳のつくりかた』(森昭雄著)を読む その6

元気な脳をつくるために~この本を読んでくれた皆さんへ著者からのメッセージ~

 6月のはじめから、週に1本~2本程度のペースで書いてきた、『元気な脳のつくりかた』を読む、シリーズですが、今回が最終回となります。最終回は、子供へ向けたあとがきと、先生・保護者へ向けたあとがき、となります。





元気な脳をつくるために~この本を読んでくれた皆さんへ著者からのメッセージ~

 まず、最初は「子供に向けたあとがき」からです。
 この内容というのは、基本的には、これまでの本編で書いた内容の復習のような内容となります。というか、データなどがない、というところも同じであり、4頁でまとまる内容を70頁弱に水増ししていたんかい、とか思ったのはヒミツ。

 まず、人間と動物はどう違うのか? ということについて、動物は、ただ鳴いたり吠えたりするだけ、でも人間は言葉でコミュニケーションをとったり、相手の気持ちを察したりする事ができる、というのを強調します(無論、この部分だって、動物にも感情やコミュニケーションが存在している、というような研究も存在しているわけで、色々と疑問符をつけるべきでしょう。)
 続いて、朝食を食べよう。朝からテレビやゲームを見ると、脳が働かなくなるから、朝、テレビなどは見ないようにしよう、と述べます。
 その次に、ゲームは脳に良いのか? として、「ゲームを使っていると、手の部分しか働かず、前頭前野は動かない」というゲーム脳理論の結論部分だけの説明をします。
 そして、その後は、「読書をしよう」「音楽を聴こう」「週末などを利用して自然とふれあおう」「身体を動かそう」「十分な睡眠時間をとろう」ということを述べ、最後は…

 この本のなかでは、テレビやビデオ、コンピュータゲーム、携帯電話のメールを使用するときの注意ごとが書いてあります。よくよんで参考にしながら、元気な脳をつくってください(73頁)

 で、締められます。
 …その注意ごとについて、全く根拠皆無、説明皆無であったことは、これまでの記事からご理解いただけていると思いますので、これ以上言いません。


先生・保護者の方へ
 ここでは、森氏の「ゲーム脳」理論について、データなどを一切示さず、「自分の研究では、こういう風にすると、ゲーム脳で、こういう状態になる。そして、それを改善するにはこうするべきだ」という主張が繰り広げられます。もう、徹底的に一方的に、自分の主張が脳科学・医学界の定説になっているかのような文章で。倒くさいし、いちいちツッコミ入れてられないので割愛します(ぉぃ) 



 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
 繰り返しになりますが、この『元気な脳のつくりかた』は、社団法人日本PTA全国協議会の推薦図書として選ばれた書籍です。しかし、その中身は、といえば、これまで見てきたように、論理も何もなく、ただ、「ゲームは悪である」というものを一方的に伝えるものでしかありません。
 ある意味で、この書籍は「便利な書籍」なのかも知れません。
「偉い学者先生が、ゲームは脳に悪いって言っている」
と、子供に伝えることができるからです。しかし、そのようなことをする、というのは、科学教育の放棄、オカルト教育の導入、という最悪の選択でしかありません。そんなことをするのであれば、まだ、「勉強しないから、ゲームは捨てる!」と捨ててしまうほうが、教育に良いことでしょう(科学を装っていない、という意味で)
 森氏の著書は、ベストセラーとなった『ゲーム脳の恐怖』以降、あまりネット上などで話題になってはおらず、内容などに言及したものはあまりないように感じます(例えば、Amazonの書評は、『元気な脳のつくりかた』『「脳力」低下社会』ともに、私しかレビューがないですし) しかし、未だに講演などが行われていて、少しずつ浸透している状況があります。
 そういうことを考える、という意味でも、私の連載が、何らかのきっかけになれば良いな、というのを思います。


 …真面目な文章って疲れるなぁ(阿呆)

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