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(書評)探偵小説のためのノスタルジア 「木剋土」

著者:古野まほろ

探偵小説のためのノスタルジア 「木剋土」 (講談社ノベルス)探偵小説のためのノスタルジア 「木剋土」 (講談社ノベルス)
(2009/06/05)
古野 まほろ

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瀬戸内に浮かぶ獄霊島。三日月形の島の両端に、2つの銀山、2つの旧家を抱える島。その旧家の1つ、紗幕谷家の当主の見舞い、ということでやってきたあかりたちだったが、家の相続を巡る争い、殺人事件に巻き込まれて…
シリーズ第3作。
妄想をカットして巻末にまとめる、とか、すごく変な構成になっている(笑) 今回は、孤島で起こった連続殺人。左右対称、三日月形の島を舞台にしてのアリバイ探しに、その背景となる呪われた一族の物語…と、いつも通りに本格ミステリしている。
ただ、今回は、見立て殺人とか、そういうのもあるけれども、それ以上に、その「呪われた血」の物語が印象に残った。初めに、一族の家系図が描かれて、遺産相続を巡っての対立と事件が起こる、というわけだけど、そこがすさまじい。遺産想像に関する当主の遺言と、そこに隠された真意。そして…というのは、限りない悪意。何を置いても、その印象だろう、と。その一方で、いつも通り、それぞれの出来事、物証などについて、細かく1つ1つ消していく、というかなり「真面目に」論理的な方法を試みており、そういう部分も面白かった。
この事件の背景となった、人間関係の秘密とかは、ちょっとそれは読者がそのままたどり着くのは難しくないか? と思うところはある。そこでなく、犯人たどり着けるので、問題はないけれども。インパクトは強いけど、という風に感じたところはある。
そして、このラストシーンはどういう風に解釈すべきか…。
ただ、何だかんだで、古野さんの作品、かなり好きになりつつある自分に驚いた(デビュー作の頃は、「疲れた」とか、かなりネガティヴな感想ばかりかいていたのに…)

No.1725

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