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(書評)殺人鬼フジコの衝動

著者:真梨幸子

殺人鬼フジコの衝動殺人鬼フジコの衝動
(2008/12)
真梨 幸子

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一家惨殺事件の生き残りとなった10歳の少女。そんな彼女は、また1人と人を殺す。何が、彼女を殺人鬼へと変えたのか…
すっげぇ、ぐったりする。読んでいて、そればかり感じた。
見栄っ張りで、金遣いが荒く、しかし、自分の子供に対しては全く気を遣わない両親の元で育てられた少女。学校ではイジメの対象となり、事件の後は…。劣等感の塊で、短絡的で、そして、不安定。そんな生き様が綴られる。
読んでいて、ずっと感じたのは、『I’m sorry, mama』(桐野夏生著)と似ている、ということ。無論、その劣悪な生育環境とか、自分の親のようにはならない、と言いながらも同じようになっていく様とか、そういうところに共通点をどうしても感じてしまった。
その一方で、この著者らしい「仕掛け」も上手く決まっている。冒頭に書かれた端書きから始まったのを覚えていたはずなのに、途中でしっかりとそれを忘れていて、最後、「あ、そうか…」という感じになる。そして、最後の頁で、ということは…で、また、すごくいや~な気分に…。
読んでいて、気分の良い作品とは絶対に言えない。ただ、考えてみれば、デビュー作か一貫して、気の滅入るような、圧迫感を感じるような作品を書いている著者なわけで、そんな「らしさ」が遺憾なく発揮された作品だ、と言えるのかも知れない。

No.1728

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  •  ◆殺人鬼となった少女の真実とは?「殺人鬼フジコの衝動」
  • 実は実録犯罪ルポとか、犯罪者の心理などを描いた物語などを見かけるとつい手に取ってしまう私。 真梨幸子さんの「殺人鬼フジコの衝動」は、幼少期から殺人に手を染め、15人以上を手に掛けた連続殺人鬼を描いた物語と言うことで、思わず手にとってしまいましたが、なん...
  • 2010.01.19 (Tue) 22:13 | Viva La Vida!
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  •  殺人鬼になった人生
  • 小説「殺人鬼フジコの衝動」を読みました。 著者は 真梨 幸子 殺人鬼となったフジコの人生を見せていく この不愉快感というか 共感は薄いけど、最後まで気になり 読ませますね 淡々...
  • 2013.06.29 (Sat) 18:13 | 笑う社会人の生活