著者:東川篤哉
実業家であり、天才建築家でも十文字和臣が、瀬戸内海の孤島に建つ彼の立てた館で遺体として発見された。転落死、と思われた死因が墜落死と判明。結局、事件は迷宮入りしたまま時は流れる。半年後、事件のあった館に関係者が集められる。十文字家の遠縁で、事件を担当した刑事の隆行も館へ向かう。途中、知り合った探偵の沙樹と共に…。
昭和50年代の瀬戸内。瀬戸大橋の建設が具体的に始まった時代。その中での事件。天才建築家が目指したもの…。
実のところ、この作品のメイントリックそのものは、序盤の構造図を見た段階で予想が出来てしまった。恐らく、ある程度、この手の作品を読みなれている人ならば、予想できるのではないかと思う。
ただ、それを差し引いても上手さは理解できる。非常にコミカルなやりとりで物語が展開していく。一歩間違うとダダ滑りではあるのだが(犯人の動機とか、正直、苦笑モノだったし)、そのコミカルなやりとりが、伏線の一部になっているとか、その辺りの使い方は見事。後から読めば、あのギャグの部分もこういう意味があったのか…と納得できる部分が多い。
また、トリックそのものは先にも書いたように予測できたのだが、時代背景と組み合わさっての計画の壮大さは、想像するだけで凄い。実際にあったなら…と思わせる。
トリックに気づかなければ、もっと楽しめたんだろうな…(苦笑)
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テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学
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