著者:岡嶋二人
徹底的なデータ管理・解析で常勝を誇るプロ野球球団・新日本アトラス。しかし、今シーズンは、その解析が上手く機能しない。そんな中、情報収集スタッフが照明で感電死する。資料課の佐伯は、この事故について調査を命じられるが、さらに事件が…。
正直、苦笑。だって、作品のモデルとも言えるチームとか、その辺りがあまりにも露骨で、しかも、徹底的に皮肉に書かれているんだもん(1980年代、管理野球で常勝の電鉄会社系チームと言えば…丸わかりでしょ?(笑))
徹底的なデータ解析と、それに基づく管理野球。その不調と事件、そこから浮かび上がるスパイ疑惑。どのような形でその情報の受け渡しがされているのか。スパイは誰なのか? 次々と起こる事件とともに進んでいく物語の作り方は流石。
また、ある意味では、岡嶋二人の特徴とも言える先見性もある。真相部分で明かされる理由の一つは、その後のモデルの監督の解任とかも含めて言えるし、また、団体全体を通しての不祥事への対応なんていうのも最近でも似たようなものがあったわけだし。そういう辺りの生々しさも感じる。
もっとも、メインとなる2つのトリックがどこまで実行できるのかはかなり疑問。特に、最後に明かされるものは、「球場にいる人間」はごまかせても、「そうでない」多くの人々が気づきそうなのだが…。
ある意味では、当時(80年〜90年代初頭)のプロ野球を見ていた人が最も楽しめるんじゃなかろうか(反対に、プロ野球に興味の無い人にはちょっと辛いかも知れない)
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テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学
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