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(書評)ふちなしのかがみ

著者:辻村深月

ふちなしのかがみふちなしのかがみ
(2009/07/01)
辻村 深月

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怪談話をモチーフにした5編を収録した短編集。
まず、この作品に関しては、バラエティ豊かだな、というのを感じる。まっすぐに怪異があって…というような話があれば、もはやブラックジョークの世界へと入り込んでいる話があり、いつも通りの技巧で攻める話があり、また、ちょっと良い話がある…と、5編ながら、それぞれに違った味わいを示す作品が収録されている。
そして、その中で思ったのが、題材の取り方が、乙一氏に似ているような気がする、ということ。こっくりさんだとか、花子さんだとかというところもそうだし、また、それと付き合う子供の様子。「こっくりさんじゃなくて、エンジェル様だから」とか、そういうちょっとしたところにある子供のこだわりの描写だとかが、余計にそれと感じさせる。これまでも、子供の世界の、ある意味、無邪気な、でもだから残酷な人間関係だとかを描いていた著者だし(今作でも、そういう描写は存在する)、また、著者と乙一氏とが世代的に近いとか、そういうところからも来るではないかと思う。
そんな中で、印象的なのは、『おとうさん、したいがあるよ』だろうか。認知症を患った祖母の家にあったのは、大量の死体。それを処分しても、次から次へとまた持ってきてしまう祖母。「せっかく片付けてる最中なのに、どうして、こんなに殺してくるのよ!」の叫びは…。ある意味、冷静すぎると言えば、そうなのだけど、こういう極端な状況に置かれると、却ってこんなものなのかも知れない…。ブラックな笑いを感じて、作中でももっとも印象的だった。
辻村さんの作品は、結構、互いにリンクしていたりするので、手をつけにくいところもあるかも知れないし、そういう意味でも、辻村さんの作品を初めて読む人にもお勧めしやすい作品じゃないかと思う。

No.1852

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COMMENT 2

苗坊  2009, 10. 25 [Sun] 10:11

こんにちは。TBとカキコありがとうございました。
最近乙一作品はご無沙汰なのですが、確かに似た雰囲気はありますね。
こういう学校の七不思議のようなもの、乙一さんも上手く活用しそうです^^
「おとうさん、したいがあるよ」はとても印象的でした。
何よりも怖かったのは、家族が死体を何も感情を持たずに捨てたり燃やしたりしてたことですね。
両親が怖かったです。
この作品だけ飛びぬけていや~な感じがしました。
でも、おっしゃるとおり、これだけの状況になったら、同じような感情をもって、同じような行動を起こすのかもしれないですね・・・。

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たこやき  2009, 10. 26 [Mon] 22:12

苗坊さんへ

こんばんは。
>こういう学校の七不思議のようなもの、乙一さんも上手く活用しそうです^^
本当、そう思いました。というか、こっくりさんを題材にしたものは、確かあったかな、と思うのですが。

>「おとうさん、したいがあるよ」はとても印象的でした。
>何よりも怖かったのは、家族が死体を何も感情を持たずに捨てたり燃やしたりしてたことですね。
やはり、そういう風に感じますね。
ただ、実際に、その場面におかれたら、そうなるのではないのか、と少しでも思わせるというのが、人間の怖さ、ということになるのかな、とも。
そういう場面にならないだろう、と思っているからこそ、そんなことを言っていられるのかも知れませんが(^^;)

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