FC2ブログ

(書評)チャンネルファンタズモ

著者:加藤実秋

チャンネルファンタズモチャンネルファンタズモ
(2009/05)
加藤 実秋

商品詳細を見る


トラブルにより、帝都テレビを追われた元報道局員の深見百太郎。先輩の伝手で入ったのは、オカルト番組専門のCS局・チャンネルファンタズモ。入社早々、オカルト番組の担当をし、元ヤン、オカルトマニア(ただし、霊感0)のミサと組むことになって…
という形で始まり、オカルトスポットとして紹介される場所での事件の謎を解く連作短編集。
読んでいて楽しかった、というのは、まず出て来るところかな。
とにかく、ひたすらにボケ倒し、という作風。深見と組むミサはひたすらに何でもかんでもオカルトに結びつけてしまう。チャンネルファンタズモの番組はパクリ番組ばかり(『ヤバネットはかば』とか、『異世界ふしぎ発見』とか…)で、そこの商品もすべてパクリっぽいものばかり。それに一々、ツッコミを入れる深見。でも、その深見は、というと、報道局に戻る、と言いながら取材をし、オカルトを否定しながらもいざ事件に遭遇すると結構、小心者。正直、ギャグとかは、かなり「くだらない」ものが多いのだけど、この辺りの泥臭いドタバタギャグっぷりが楽しかった。軽いやりとりで物語を綴る、っていうのは、『インディゴの夜』シリーズと共通するものがあるけど、より、この作品は、ギャグをメインに添えた、という感じだと思う。話のテンポだとかも良い。
ただ、ミステリとしての出来はイマイチ。取材先の事件について調べて…という展開ではあるのだが、ある程度、事件の材料が出て来たところで、こうじゃないか、というのは簡単に読めてしまう。そこで一ひねりなどがあれば良いのだが、それで素直に…というのが多く、純粋にミステリとして見たときはどうしてももう一歩感が残った。話の着地点などは、しっかりと納得出来るところに着地しているし、また、矛盾とか無理だとかなくまとめられているので、そういう意味での文句はないのだが。
ただ、繰り返しになるのだが、ミステリ調のドタバタ劇を見るような感じで読むには十分に楽しく読むことが出来る作品だと思う。小難しいことを考えず、気楽に読む作品としてはもってこいなのではないだろうか。

No.1896

にほんブログ村 本ブログへ




スポンサーサイト



COMMENT 0