(書評)花と流れ星

著者:道尾秀介

花と流れ星花と流れ星
(2009/08)
道尾 秀介

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道尾、真備コンビで綴られるシリーズ第3作。
というのは覚えているのだが、第2作目である『骸の爪』を読んだのが約2年前だった、なんていうこともあって大分、設定などを忘れていたところがある。作家の道尾が事件などに巻き込まれ、霊現象の研究をする真備がその謎を解決する、という形式だったのは覚えているのだが…
ただ、本作の場合、これまで2作と同じく道尾の視点で綴られる物語の他に、真備の助手である凛の視点で綴られる物語も含まれる。
実は、読んでいて感じたのは、「違和感」。あれ? こんなに綺麗な話のシリーズだったっけ? という。
設定を忘れている部分があったのは確かだが、結構、露骨な事件があり、また、霊現象の研究家という真備の存在もあり、そういう謎を解く…というのがシリーズの醍醐味であった。しかし、本作の場合、その霊現象についての物語はない。あくまでも、「普通の探偵役」として、真備が登場する。そして、それぞれの編では、人の弱さ、醜さも綴られながら、しかし、あくまでも優しい形で綴られる。
捨て猫を巡っての少女たちの関係を綴った『オディ&デコ』、宗教団体の中での狂気を解きほぐす『箱の中の隼』、真備の過去、そして、老人の弱さから描かれる『花と氷』…など、それぞれ弱さなどが描かれるのだけど、それを認めながらも優しく着地する辺りにほっとする。これはこれで良いのだけど、どうしても「あれ?」という感覚もあるのだ。
違和感、違和感と書いているけど、別に作品としての出来が悪いわけではない。むしろ、こういう雰囲気が好きだ、という人にはお勧めしたい。そういう意味では、やっぱり道尾さんの作品はクオリティが高いなぁ…と思わざるを得ない。

No.1904

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  •  『花と流れ星』 道尾秀介
  • 「道尾秀介」の連作短篇集『花と流れ星』を読みました。 [花と流れ星] 2月の始めに読んだ『鬼の跫音』以来、11冊連続で「道尾秀介」作品です、、、 こんなに同じ作家の作品を読むのは初めてですね… 多分。 -----story------------- 死んだ妻に会いたくて、「霊現象探求所」を構えている「真備」。 その助手の「凛」。 「凛」にほのかな思いを寄せる、売れない作家「道尾」。 三...
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