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(書評)眼球蒐集家

著者:船越百恵

眼球蒐集家 アイボール コレクター (カッパノベルス)眼球蒐集家 アイボール コレクター (カッパノベルス)
(2004/06/19)
船越 百恵

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アパートで殺害され、目をくり抜かれていた売春婦。初めての現場にたった新米刑事・香月七海は、そこで大失態をやらかし、猟奇事件特別研究室へと出向することに。そこは、ICPO帰りの、警視庁でも噂の変人・美咲嶺が室長という部署で…。
読んでいて、最初に感じたのは、思いっきりライトノベルっぽいな、ということ。タイトルやら、冒頭に書いた事件からわかるように、事件そのものはかなりえぐい猟奇事件と言えるもの。それを警察が追う…というのものではあるのだけど、冒頭から、七海が現場で戻し、それも上司の懐に戻したり…なんていう思いっきりなドタバタギャグ。そもそも、大卒で警察学校などを出て特例の23歳で刑事になった…なんていうような設定からしても、ガチガチの警察小説とか、そういうところからは外れていると感じられると思う。
そして、物語そのものも、事件の捜査以前として、新米刑事・七海と、変人プロファイラー・美咲のやりとりが重視され、色々と心を閉ざしている美咲が七海の危機に熱くなったり…とやっぱり、ライトノベルっぽい部分を感じずにはいられない。とは言え、事件そのものが凄惨であるが故に、その軽いやりとりで中和され、読みやすくなっている、という風にも言えるわけだが。
物語の最大の謎は、犯人の目的。美咲の言うところの「秩序型と無秩序型の混合型」である犯人の狙いは何か? 一貫しているようで、しかし、おかしさも感じられる連続殺人…という中で展開していき、その目をくり抜く理由は、ある意味、逆転の発想的で面白かった。某作品の仕掛けにも似たところがあるが、上手いな、と思った。
ただ、先にも書いた二人のやりとりなどを重視した、というのは良いのだけど、その分、捜査だとかの場面の描写が少なく、一足飛びに真相へ…という感じがしたのがちょっと気になった。変な話、主人公たち、地道な捜査もせず、美味しいところだけをかっさらった、という感じがしないでもないのだ(笑)
どちらかと言えば、ガチガチの警察小説、ではなくて、ライトなミステリーを読みたい、というような形にお勧め出来るのではないかと思う。

No.1909

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