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(書評)リバース

著者:北國浩二

リバースリバース
(2009/06)
北國 浩二

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メジャーデビューを目指し、バイトをしながらバンド活動をしている省吾は、最愛の恋人・美月が大学病院に勤務するエリート医師・篠塚とつきあい始めた、ということを聞かされる。そんなとき、予知能力を持つ、という女性から美月が篠塚に殺される、という予知を見たと言われ、美月を守るために立ち上がるのだが……
なんか、ぎこちない。前半と後半のカラーが全く別物になっていて、かつ、特に前半のイメージが、そこまで活きているのかな? と感じるところがある。
とにかく前半は、苦笑いの連発。冒頭から、遅刻されるわ、旅行に行ったのに土産すら貰えないわ……という主人公・省吾が、それでも美月に惚れ込んでいる、というのが描かれて、その美月を守るために……と立ち上がるわけだけど、「なんで、わざわざ進んで地雷を踏むのかな?」と言いたくなるくらいに、痛々しい。「結果的に嫌われても構わない」という覚悟は良いとしても、どう考えても、「考え得る最も嫌われる方法」を取っているようにしか感じない。これが、中高生くらいの短慮な人間、とかなら、まだ理解できるのだけど、24歳で、一度は、会社員もやって……という設定とは思えないくらいに稚拙。
そして、そんな中で、事件が起こり、物語そのものも急展開。
そうすると、今度は、なぜ、そんな一番ダメな方法ばかりとるの? という主人公がいきなり名探偵になって、名推理を連発。一気にキャラクターそのものが変化してしまったように思う。
また、物語の一つの端緒となる「予知能力」についても、結構、都合の良いようにその位置づけが変化してしまうのが気になるところ。起点部分から、そんなにふらふらとしていて良いの? とも思うのだ。
真相・結末などが予測しやすい、というのは、別に欠点ではないと思う。そうだとしても、そこに持って行くまでの描き方で楽しむことができる作品は多いのだから。アイデア自体も悪いとは思わないのだけど、全体的なぎこちなさが至る所に感じられ、正直、作品としての完成度には疑問を覚える。

No.1981

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