著者:畠中恵
最近、地震が相次いでいる江戸。その地震で怪我をしてしまった一太郎は、両親の薦めと、本人の強い希望で箱根へと湯治に向かうことに。ところが、一緒に付いてくるはずの佐助と仁吉が忽然と姿を消してしまい、さらに、宿では人攫いに攫われて……
シリーズ第5作で、シリーズ第2長編。
これまでの作品は、形の上ではミステリ小説の体裁を取っていたけど、本作はその形を取らず、いきなり巻き込まれ、巻き込まれ、の連続という形の物語。
とにかく、一太郎、災難続きだなぁ、と(笑) 佐助&仁吉がいない、というのはまだしも、人さらいに誘われ、天狗に襲われ、村の人々からは生け贄候補にされ……どれだけ巻き込まれれば良いんじゃい! という感じ。そして、湯治に来たはずなのに、温泉には入れず……。でも、いつもよりも「活動的だった」のは、温泉の硫黄の匂いとかでパワーアップしているから?(ぉぃ) それでも、大したことが出来ているわけではないのだけど。
今回も、妖よりも、人間が……というテーマは継続。今回のヒロインとも言うべき、姫神の過去、村人たちの彼女への仕打ち。事件の最中にありながら、自分たちの都合を優先する者。それらが何とも愚かしく、逆に鳴家とかのけなげさなどが光る。
……ただ……話として、ちょっと無理を感じるところもある。なぜ、みんな、ちゃんと確認しないの? とか思いはじめるとどうにも……。普段と違った舞台で、とかの新鮮さはあるのだけど、「あれ?」と思うところもあった。
そういう意味でも、やっぱり、短編の方が良いな、と感じた。
No.2080

![]() | うそうそ (新潮文庫 は 37-5) (2008/11/27) 畠中 恵 商品詳細を見る |
最近、地震が相次いでいる江戸。その地震で怪我をしてしまった一太郎は、両親の薦めと、本人の強い希望で箱根へと湯治に向かうことに。ところが、一緒に付いてくるはずの佐助と仁吉が忽然と姿を消してしまい、さらに、宿では人攫いに攫われて……
シリーズ第5作で、シリーズ第2長編。
これまでの作品は、形の上ではミステリ小説の体裁を取っていたけど、本作はその形を取らず、いきなり巻き込まれ、巻き込まれ、の連続という形の物語。
とにかく、一太郎、災難続きだなぁ、と(笑) 佐助&仁吉がいない、というのはまだしも、人さらいに誘われ、天狗に襲われ、村の人々からは生け贄候補にされ……どれだけ巻き込まれれば良いんじゃい! という感じ。そして、湯治に来たはずなのに、温泉には入れず……。でも、いつもよりも「活動的だった」のは、温泉の硫黄の匂いとかでパワーアップしているから?(ぉぃ) それでも、大したことが出来ているわけではないのだけど。
今回も、妖よりも、人間が……というテーマは継続。今回のヒロインとも言うべき、姫神の過去、村人たちの彼女への仕打ち。事件の最中にありながら、自分たちの都合を優先する者。それらが何とも愚かしく、逆に鳴家とかのけなげさなどが光る。
……ただ……話として、ちょっと無理を感じるところもある。なぜ、みんな、ちゃんと確認しないの? とか思いはじめるとどうにも……。普段と違った舞台で、とかの新鮮さはあるのだけど、「あれ?」と思うところもあった。
そういう意味でも、やっぱり、短編の方が良いな、と感じた。
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