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(書評)科学と神秘のあいだ

著者:菊池誠

科学と神秘のあいだ(双書Zero)科学と神秘のあいだ(双書Zero)
(2010/03/24)
菊池 誠

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08年4月~09年3月にかけて、「Webちくま」に連載された「科学者にも怖いものはある」を加筆修正したエッセイ。科学とは何か? というようなことについて語ったもの。
ロックの話題、多いなぁ(笑)
と、いきなり内容とちょっとずれたことを書いてみる(笑)
ただ、そういうような、ちょっと、ある意味ではおじさんくさい音楽の話だとか(失礼!)、はたまた著者がやっているテルミンという不思議な楽器だとか、そういうような話を入れながら、しかし、科学とは何か? 科学的な考え、研究とは何か? また、なぜ、そういうものが重要なのか、ということを解いていく。
個人的に面白かったのは、「わかること」、と、「納得すること」の違い。これ、すごく個人的な趣味の話で言うと、ミステリ小説の感想で「釈然としない」とか、「納得出来ない」というものを書いているときの気持ちに近いのかも、と思う。つまり、ミステリ小説で言えば、犯人が誰で、どういうトリックで……というが明かされて、その理屈だとかはわかる。でも、なんか、それって無いよな……と感じる場合、というのがある。そのところにあるんだろう、と思う。
もっとも、私が小説でそういう風に感じるのは、小説ならば納得も十分に出来るように書いてくれ、という願望も多いのだろうけど、現実の法則とか、そういうものでは当然、そんな都合よく行かない。そんな中で、自分の都合に合わせたときに……
また、その中で、あくまでも、完全に科学的に証明されたもの、と、完全に否定されたもの、があり、その間にはグレーゾーンが広がっている。勿論、その中には、完全に証明はされていないけど、かなりの確率で「正しそうだ」というのもあれば、かなりの確率で「おかしい」というものもある。全くわからないものもある。そんな中で、どう線引きをしていくか……
作中では、ホメオパシーとか、9.11陰謀論、とか、そういう話題も多少触れられてはいるものの、多くは「これは、この書などで」とかという形になる。そこを物足りない、と取るか、それとも、あくまでも科学的な考えとは? というものが主題なのだから、と取るのかで、評価は多少変わるかも知れない。私は、後者と捉えたのだが(それぞれ、専門的に書いたら、相当な分量になるだろうし)
科学的な思考とは何か? なんていうことを考える際の入門書として、良いのではないだろうか。

No.2083

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  •  時間が飛ぶように過ぎる
  •  平日に仕事をしている?時は17時までが長いのに、土日は17時になるのがやたらに早い気がする。気がついたら日曜日の17時になってしまったと...
  • 2010.04.25 (Sun) 17:17 | 週刊・利口系無重力blog(兼コミケ「ブログ同盟」)