著者:三津田信三
有名怪奇小説同人誌の連載を持つことになった編集者の三津田。近所を散策している最中、偶然発見した洋館に惹かれ、そこに住む事に。仕事、執筆ともに順調であるが、やがて、その制御は崩れはじめ…。
何て言うか…どうコメントすれば良いんだろうな…。何が怖い、と言い切れないのだが、何か怖いと感じる…というような作中の台詞があるのだが、実際、そんな感じ。
イギリスから移築されたという家・人形荘。周囲の人間は、その家を「幽霊屋敷」と呼び、実際、そこでは様々な事件も…。そして、入ると、確かに「ぞっ」とする気配も。しかし、実際に何かが起こるわけではない…。しかし…と…。
作中では、主人公である三津田が、仕事に、執筆に…というものと、その三津田が書いた小説の2パートで構成される。勿論、三津田が書いたものなので、小説はあくまでも、三津田の頭に浮かんだものに過ぎないはず。けれども、何故か、その両者がどんどん接近していく。そして両者がどちらがどちらだか…。
以前、『
シェルター 終末の殺人』を読んだことがあるのだが、本作も似たような印象。何故か感じてしまう違和感。壊れていく自我。謎の女性の登場であるとか、そういうものを含めて、「訳がわからなくなっていく状況」が加速度的に進んでいくさまは確かに怖い。
結末部分、余韻を残した、と取るか、それとも、強引に切り上げてしまった、と取るかは難しいのだが…。そこも含めて、物凄く「奇妙な」後味の悪さを残す作品だった。
通算1167冊目
テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学
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