著者:初野晴
春、2年に上がった千夏は、吹奏楽部の甲子園・普門館を目指すため、新入部員の獲得に忙しい。顧問の草壁先生を巡って、ハルタとの微妙な関係も続く中、またもや事件が起こって……
『退出ゲーム』の続編となる、連作短編集。
本作も前作同様に、日常の謎、的な雰囲気が強い。音大を目指していた芹澤さんの秘密を巡っての『スプリングラフティ』、部費獲得を目指し、地学部を追うことになる『周波数は77.4MHz』。ライバル校の顧問が謹慎処分になった理由を探る『アスモデウスの視線』。そして、表題作『初恋ソムリエ』。
前作を読んだのが結構、前になるので印象として覚えているレベルの部分もあるのだが、本作の場合、あまり草壁先生を巡っての千夏とハルタの対決という印象が少なく。そもそも、草壁先生自身が、今回はあまり登場しない話とかもあるし。ただ、それぞれ、やっぱり重く描けば重くなるところを軽いタッチで仕上げている辺りのバランスは好き。
収録された作品では、『周波数は77.4MHz』が好き。特に、中に出てくるラジオ番組が……。葉書職人とかやっていた身として思う。こんなアグレッシヴな番組、公共の電波に乗せるな!!(笑) そして、そこで色々とされている千夏の立場が……(笑) 地学部と、ラジオの繋ぎ方とか、ちょっと強引かも、とは思いつつも、かなりギャグ多めで、でも、重いテーマを結びつけている部分に好感が持てた。結末に光が見える、という部分も。
表題作は、初恋の思い出を、匂いなどで再現する、というもの。他のエピソードが、重いテーマを描きつつも日常の範囲内で描いているのに比べると、学校を離れて、とか、そういうのもあってちょっと他と異なった印象を受ける。事件そのものもそうだし……。表題作だけ、ちょっと雰囲気が異なっているように感じる。
それでも、吹奏楽部は着実にステップアップ。ただ、肝心の草壁先生についてはあまり語られなかったり……で、これはやっぱり、3作目で、ということになるんだろうか?
No.2140

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春、2年に上がった千夏は、吹奏楽部の甲子園・普門館を目指すため、新入部員の獲得に忙しい。顧問の草壁先生を巡って、ハルタとの微妙な関係も続く中、またもや事件が起こって……
『退出ゲーム』の続編となる、連作短編集。
本作も前作同様に、日常の謎、的な雰囲気が強い。音大を目指していた芹澤さんの秘密を巡っての『スプリングラフティ』、部費獲得を目指し、地学部を追うことになる『周波数は77.4MHz』。ライバル校の顧問が謹慎処分になった理由を探る『アスモデウスの視線』。そして、表題作『初恋ソムリエ』。
前作を読んだのが結構、前になるので印象として覚えているレベルの部分もあるのだが、本作の場合、あまり草壁先生を巡っての千夏とハルタの対決という印象が少なく。そもそも、草壁先生自身が、今回はあまり登場しない話とかもあるし。ただ、それぞれ、やっぱり重く描けば重くなるところを軽いタッチで仕上げている辺りのバランスは好き。
収録された作品では、『周波数は77.4MHz』が好き。特に、中に出てくるラジオ番組が……。葉書職人とかやっていた身として思う。こんなアグレッシヴな番組、公共の電波に乗せるな!!(笑) そして、そこで色々とされている千夏の立場が……(笑) 地学部と、ラジオの繋ぎ方とか、ちょっと強引かも、とは思いつつも、かなりギャグ多めで、でも、重いテーマを結びつけている部分に好感が持てた。結末に光が見える、という部分も。
表題作は、初恋の思い出を、匂いなどで再現する、というもの。他のエピソードが、重いテーマを描きつつも日常の範囲内で描いているのに比べると、学校を離れて、とか、そういうのもあってちょっと他と異なった印象を受ける。事件そのものもそうだし……。表題作だけ、ちょっと雰囲気が異なっているように感じる。
それでも、吹奏楽部は着実にステップアップ。ただ、肝心の草壁先生についてはあまり語られなかったり……で、これはやっぱり、3作目で、ということになるんだろうか?
No.2140

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- 2016.11.15 (Tue) 23:30 | こみち