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(書評)なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか

著者:大林宣彦

なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか (幻冬舎新書 お 4-1)なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか (幻冬舎新書 お 4-1)
(2008/01)
大林 宣彦

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戦後、日本は驚異的な経済発展を遂げてきた。だが、その影で何かを失ってしまった。「子供との付き合い方」を中心に、「どこかおかしくなってしまった日本」を変える方法を考える…。
うーん…タイトルからすると、物凄く説教臭い、回顧主義満載の本かと思ったのだけれども、そこまで回顧主義だらけ、というわけでもない。細かいところでは、色々と同意できる部分も多い。ただ…全体を見ると「なんか、偏っている」と感じる…。
著者の言うことの中心は、「別に子供がおかしくなったわけではない」ということ。実際に、触れ合ってみれば、今も昔も変わらず、様々なことに興味を持っているし、善悪だってわかっている。むしろ、変わったのは大人の見方ではないか? と。
この辺りなんかを見ると、むしろ、若者論批判に近い。実際、PCなど使うな、なんていう人を「引退したいと宣言しているようなもの」とバッサリ切り捨てたりもしているわけだし。
ただ…そこから先がどうも…なのである。
そもそも著者の言う「おかしくなっている」自体が本当なのだろうか? 「総論」ではなく、「各論」でしかモノを見れなくなってしまったとか、そういう部分だと言う。まぁ、わからないではないのだが、しかし、本当に「各論」でしか見れないのだろうか? 基本的に、著者がこう思う、で進んでしまうのでどうも「?」なのである。
しかも、著者はいちいち、「昔は、そうではなかった」と言うことを連呼する。「昔の人は、総論でモノが見れていた」「昔の人は、No.1を目指すだけではなかった」などなど…。著者が断言するだけで何とも…(特に、後者など、戦前、富国強兵など少なくとも「国レベル」では、No.1を目指していたわけだし…) まして、社会について語る部分などは、文字通り、「メディアで言われているから」的な部分が多く、疑問を感じずにはいられない。
正直、不用意に社会そのものについて触れない方がよかったのではなかろうか? 少なくとも、著者が子供に対して本気で接している様とか、良い部分は多いのに、上で書いたようなところが大きな減点材料になってしまっている。

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