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(書評)ランボー・クラブ

著者:岸田るり子

ランボー・クラブ (ミステリ・フロンティア 42)ランボー・クラブ (ミステリ・フロンティア 42)
(2007/12)
岸田 るり子

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色覚障害を抱える少年・菊巳。彼は、習ったことも無いフランス語を読むことが出来、今はわからない「色」の記憶もある。そして、何故か、自分のほかに「菊巳」がいる記憶も…。自分の存在に悩んでいく…。その頃、探偵である麻里美のもとへ、「10年前に失踪した妻子を探して欲しい」とい依頼が入り…。
「ジグソーパズルのピースはあるけど…」というような表現が物語の後半にあるのだけれども、読んでいて常にそんなことを感じた。
冒頭にも書いたけれども、物語は自分のアイデンティティに疑問を抱く少年・菊巳と、失踪した妻子を探す麻里美、2つの視点で展開。序盤の時点で、この両者が関連していることはわかるし、また、そこで何が行われたのか…についても、ある程度は、推測が出来る。ところが、その推測で出る結論はチグハグ。文字通り、ピースはあるんだけど、それらが上手く繋がらないもどかしさに襲われる。そして、物語が進めば進むほど、様々な要素が加わっていく、ますますそれらが上手く繋がらない状況へとなって行く。この「もどかしさ」こそがl、この物語の最大のポイントなのかな? なんてことを思う。
「事件」そのものが起こるのが中盤。タイトルに記されたランボーの詩は、序盤こそ、色々と描かれながら、後半になると殆ど意味がなくなっていること。さらに、真相部分の怒涛のような謎解きが精一杯と感じられた辺りが少し残念。多少、SF的な要素があるのは構わないのだけれども、それに纏わる欲望とかが多く、肝心の菊巳の心理描写が薄くなってしまったのは勿体無い。それまで、自分へ、両親へ…というような疑念が「これでもか」と描かれていただけに…。
終盤も、序盤同様で描かれていれば、よりよかったと思う。

通算1170冊目

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