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(書評)鬼の棲む楽園

著者:中村啓

鬼の棲む楽園鬼の棲む楽園
(2010/06/10)
中村 啓

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熱狂的なファンを持つ占い師・神山の著書の代筆のため、奄美大島を訪れたライター・夏木。しかし、編集部は、その占い師と連絡がつかないという。神山の自宅を訪れた夏木は、そこで頭を割られ、脳を持ち去られた神山の遺体を発見する。事件に対する好奇心と、神山の遺作を作るため、夏木は調査を始めるが……
デビュー作品『霊眼』同様、導入部でのつかみはもの凄い。いきなり発見される、頭を割られ、脳を持ち去られた遺体。ある意味、えぐさのある描写ではあるが、しかし、それだけに力がある。
が、何か読み始めると、奄美、喜界島をモデルとした架空の島・喜多住島での観光だとかが妙に多くて、あれ? という感じ。勿論、そこで純然たる力を有している一族の話であるとか、そういうものがあり、徐々に何者かに狙われて……と展開はしていくのだが、中盤くらいまでは、取材ですらない状態になってしまって「うーむ……」と感じざるを得ないところがあった。
主人公を襲う存在とかにしても、かなり偶然の要素は強いし、いくら大きな力を持っている、とは言え、そりゃ、無理だろう、というようなものも多い。大体、犯人にしても、なんでわざわざ話を大きくしてしまうの? と感じるところが多い。神山の秘書なんて、殺す意味あったの? とか……
もの凄く酷評をしているように見えるけど、でも、デビュー作に比べれば、完成度は格段に上がっている。前作は、途中で、主人公の行動について行けなくなってしまったけど、今作は、そういうのはなかったし。
欠点は多いけど、でも、確実に良くなっているのが感じられ、次回作こそは、と期待したい。

No.2218

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