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(書評)闇ツキチルドレン

著者:天祢涼

闇ツキチルドレン (講談社ノベルス)闇ツキチルドレン (講談社ノベルス)
(2010/07/07)
天祢 涼

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地方都市・嵯峨沼。ここでは、動物、そして、人をも襲う「チャイルド」なる者による事件が起こっていた。そして、その容疑者として浮かび上がったのは、元警察官僚の最上。共感覚者の美夜は、ひょんなことから出会った少女・愛澄を助手として、最上を調べ始めるのだが……
キョウカンカク』に続く、シリーズ第2作。
「共感覚」を一つの題材にしたことによるインパクト、という点では前作よりも薄くなったものの、良い意味で、みんな「歪んでいる」(笑) 視点としては、愛澄と、美夜を中心にして、最上やら何やらも、という多視点なのだけど、それぞれがおかしい。
物語の中心にいる最上。元々は、警察庁のトップになっていただろう、という彼に対する疑惑。それは、やがて、その孫娘・津希子への疑惑へ。何かを隠していることは間違いのない最上の行動。警察をも動かして、美夜の動きを妨害しようとする。そして、その結果として突き止めたその理由と、ひっくり返し……。
構成や、美夜の特殊性故に、全てのヒントが出て、というタイプではないものの、それでも上手くやられた、という感じ。そうでなくとも、愛澄の持つ鬱憤、愛澄の祖母の歪んだ扱いとか、異様に短絡的でどうしようもない甲橋、三吉、病的な印象を持つ津希子……。本当、凄く歪んでいる(笑) ある程度、このひっくり返し方は想像出来る部分がなくなはないのだけど、しかし、みんな歪んでいるから目立たない、という凄い方法。まさしく「木の葉を隠すなら森の中」状態。この辺り、上手いな、と。
しかし、これ、もしかしたら、前作と立て続けに読むと、意外とひっくり返しは見抜けるのかも? と、ちょっと思った(ある程度、記憶が曖昧になっていた部分があるんだけど、共感覚の設定についてで前作、説明されていたように思うし)
でも、作品としては今回もしっかりとまとまっていて面白かった。
ただ、今回の終盤に見せた本音とか、次回はどうなるのか、かなり楽しみ。

No.2219

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