著者:小島正樹
弁護士である川路が受けた依頼、それは、孤児院育ちの女性・静内瑞樹の生家を探すこと。残された手がかりは、孤児院に残された、具体的な地名などが一切でない手記のみ。川路は、リバーカヤック仲間の邦彦と共に、調べ始め……
なんか、よく言えばサービス精神旺盛、悪く言うと詰め込み過ぎ。いや、決して悪い作品じゃないんだけど、ここまで次々と展開させるか、というくらいに色々と詰め込んでいる、というのがわかる。
何せ、冒頭に書いた話だけだと、まるで、孤児院育ちの女性・瑞樹の生家を探ることだけで終わりそうな感じを受ける。実際、地名などが出ていない手記から調べる、というだけでも十分に一本の長編が作れると思う。ところが、謎解きはするものの、意外なほどアッサリと生家は探し当てられ、今度は、手記にあった事件についてが現れ、そして、現代でも……へ。
江戸時代の事件、20年前の事件、そして現代の事件。3つの時代の事件が提示され、それぞれが関わっているのか、それとも……と起こり、しかも、それぞれ死体消失であったり、と非常に意欲的。そして、最後の最後まで次々とひっくり返していく、というのも面白い。分量的には、新書で370頁あまりと、なかなかボリュームがあるのだが、先にも書いたように、次々と魅力的な謎を提示してくれるので、最後まで気になって読まされた。エンターテインメント作品として評価したい。
まぁ、見方によっては、謎のための舞台設定とか言えるし、多少、複雑になりすぎてややこしい、というのはある。ただ、それは些細なことなのかも知れない。
評判が良いのは聞いていたけど、なるほど、面白かった。
No.2232

![]() | 武家屋敷の殺人 (講談社ノベルス) (2009/11/06) 小島 正樹 商品詳細を見る |
弁護士である川路が受けた依頼、それは、孤児院育ちの女性・静内瑞樹の生家を探すこと。残された手がかりは、孤児院に残された、具体的な地名などが一切でない手記のみ。川路は、リバーカヤック仲間の邦彦と共に、調べ始め……
なんか、よく言えばサービス精神旺盛、悪く言うと詰め込み過ぎ。いや、決して悪い作品じゃないんだけど、ここまで次々と展開させるか、というくらいに色々と詰め込んでいる、というのがわかる。
何せ、冒頭に書いた話だけだと、まるで、孤児院育ちの女性・瑞樹の生家を探ることだけで終わりそうな感じを受ける。実際、地名などが出ていない手記から調べる、というだけでも十分に一本の長編が作れると思う。ところが、謎解きはするものの、意外なほどアッサリと生家は探し当てられ、今度は、手記にあった事件についてが現れ、そして、現代でも……へ。
江戸時代の事件、20年前の事件、そして現代の事件。3つの時代の事件が提示され、それぞれが関わっているのか、それとも……と起こり、しかも、それぞれ死体消失であったり、と非常に意欲的。そして、最後の最後まで次々とひっくり返していく、というのも面白い。分量的には、新書で370頁あまりと、なかなかボリュームがあるのだが、先にも書いたように、次々と魅力的な謎を提示してくれるので、最後まで気になって読まされた。エンターテインメント作品として評価したい。
まぁ、見方によっては、謎のための舞台設定とか言えるし、多少、複雑になりすぎてややこしい、というのはある。ただ、それは些細なことなのかも知れない。
評判が良いのは聞いていたけど、なるほど、面白かった。
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