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(書評)ロード&ゴー

著者:日明恩

ロード&ゴーロード&ゴー
(2009/10/21)
日明 恩

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消防車から救急車の運転士になって2ヶ月の生田。慣れないながらも、仕事をこなすある日、彼らの隊は路上で倒れている男性を収容する。だが、男は隊員を人質に取り救急車をジャック。しかも、その男もまた、犯人に家族を人質に取られている、と言い……
(出版社は違うが)『鎮火報』シリーズの番外編。『鎮火報』の主人公・大山雄大もわずかながら登場するし、また、本作の主人公・生田は、そのシリーズに登場する隊員の一人。
正直なところ、『鎮火報』に関して言うと、情報としては面白いけど、小説としては全く面白くない、という感想を持っていた。が、本作に関して言えば、情報のおもしろさは勿論あるのだけど、それと同時に、救急車がジャックされ、時間を指定して、次々と病院を回るように指示される、という緊急で、奇妙な事態が起こるため、そちらも気になって、物語としても楽しむことが出来た。リミットが決まっている上に、犯人とのやりとりや、追ってくるマスコミ車両……なんていうようなものもあって、非常に緊迫感があり、最後まで勢いを保って読むことが出来た。
物語の展開としては、決して、斬新なものとは言えない。途中でのやりとりだとか、そういうものから、こういう方向じゃないかな? というのは予想できるし、実際、その通りにはなる。ただ、終盤は、その上で、での、生田らの情熱みたいなものが非常に「熱く」て、それはそれで良いや、という気分になった。
……のだけど、あとで考えてみると、終盤のものは、映像映えとかはするかも知れないけど、無茶苦茶も良いところだよな……と思えてならない(笑) ある意味、ただの暴走だし、また、ある意味、凄い自己矛盾も抱えているわけだし。そこはやっぱり、ツッコミ入れておいた方が良いかな、とは思う。情報小説としての側面がある、ということからもそれは思う。
ただ、エンターテインメント作品としての部分を重視するなら、そこまで気にしなくて良いだろうし、また、少なくとも最後まで引っ張るだけの力はある。
そういう意味で、最後まで一気に読んだ作品ってのは間違いない。

No.2251

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