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(書評)文学少女見習いの、卒業。

著者:野村美月

“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)
(2010/08/30)
野村 美月

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「邪魔よ」 親友・瞳から告げられた菜乃。そして、瞳と心葉が付き合うという。仰天する菜乃の前に、さらに、かつて瞳の家庭教師であった司書・忍成が現れて……。
「文学少女見習い」シリーズ完結編。
……なんだけど、最後までドロドロしてるなぁ(笑) 今回の題材は、夏目漱石の『こころ』。先生、と、K、と、お嬢さんで繰り広げられたエゴイズムの物語。そして、物語の中心も、瞳と忍成と、自殺してしまった少年・櫂を巡る物語へ。
『こころ』と同じように、「手に入れたい」というエゴイズムの結果の悲劇。そして、その後のそれぞれの振る舞いもまたある種のエゴイズム。まさしく負の連鎖の物語、という感じでの緊張感。
ある意味、第1作目の『初恋』では、菜乃が鬱陶しさみたいなのがあったのだけど、これまでもそうなのだけど、今作は、その鬱陶しさ、お節介さ、というのが動かす原動力になっている。そして、そこに菜乃自身の成長というのも垣間見える。3作ながら、そういう積み重ねが感じられる、というのは凄いな、と思う。
そして、そんなこんな、の上での最後の短編。文字通り、『卒業』編。
心葉の卒業によって終わる菜乃の初恋。ある意味じゃ、これまでの物語からして、こうなることは必然だったわけだけど、でも、先に書いたような菜乃の成長、そして、心葉自身の成長を描いた上で、なので、寂しさを感じつつも、爽やかな結末になっていたと思う。
……こうすると、やっぱり最も報われないのは琴吹さんか?(ぉぃ) まぁ、図書室での菜乃と琴吹さんのドジっ娘合戦には笑ったけど。

No.2262

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