著者:十文字青
魔女の砦での戦いを経て、ネルリンという街に辿り着いたユユとレーレ。二人はそこで、ヨナハンとセルジュに再会する。紆余曲折を経て、ヨナハンの故郷へ向かうことになった一行だが、そこでヨナハンを待っていたのは、許婚が魔女として捕らえられた、との一方だった。
1巻の感想で、「完全にプロローグといった趣」と書いたのだけど、実のところ、今巻でも同じような感覚を受けたりして。
前巻では、人間と対立……というか、人間に迫害されるような立場としての魔女がいて、というのを、ユユとレーレの間がそれで引き裂かれる形で展開。そして、今巻ではヨナハンの許婚が、という形である種の傍観者的な立場として描かれる。
傍観者として許婚の無実を信じ、何としても助けようとするヨナハン。けれども、彼自身は魔女の存在を許せない、という立場でもある。そして、そこへ現れる魔女……。前巻の立場をある意味では違えて、しかし、やはり人間と魔女の立場を描いた話というように感じる。
確かに人間にはない能力を持っている魔女。しかし、魔女にどうなるのか……とかを考えると、ますます、紙一重に感じるし、少なくとも第三者的には……とも感じる。そういうのも含めて、ますます、世界観を書き込んだ、とは思うのだが。
ただ、そんな「プロローグ的」といいつつ、しっかりと次回への伏線はつくり、一つの動きを示しての終了。ここから、どう転がるのか、ですな。
No.2278

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魔女の砦での戦いを経て、ネルリンという街に辿り着いたユユとレーレ。二人はそこで、ヨナハンとセルジュに再会する。紆余曲折を経て、ヨナハンの故郷へ向かうことになった一行だが、そこでヨナハンを待っていたのは、許婚が魔女として捕らえられた、との一方だった。
1巻の感想で、「完全にプロローグといった趣」と書いたのだけど、実のところ、今巻でも同じような感覚を受けたりして。
前巻では、人間と対立……というか、人間に迫害されるような立場としての魔女がいて、というのを、ユユとレーレの間がそれで引き裂かれる形で展開。そして、今巻ではヨナハンの許婚が、という形である種の傍観者的な立場として描かれる。
傍観者として許婚の無実を信じ、何としても助けようとするヨナハン。けれども、彼自身は魔女の存在を許せない、という立場でもある。そして、そこへ現れる魔女……。前巻の立場をある意味では違えて、しかし、やはり人間と魔女の立場を描いた話というように感じる。
確かに人間にはない能力を持っている魔女。しかし、魔女にどうなるのか……とかを考えると、ますます、紙一重に感じるし、少なくとも第三者的には……とも感じる。そういうのも含めて、ますます、世界観を書き込んだ、とは思うのだが。
ただ、そんな「プロローグ的」といいつつ、しっかりと次回への伏線はつくり、一つの動きを示しての終了。ここから、どう転がるのか、ですな。
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