(書評)貴族探偵

著者:麻耶雄嵩

貴族探偵貴族探偵
(2010/05/26)
麻耶 雄嵩

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事件が起こったときに現れる使用人を連れた口ひげの男。彼は、自らを「貴族探偵」と名乗り……
という連作短編衆。
ええっと……何ていうか……すっげぇ出オチ感(笑)
いや、各編それぞれ、違う人間の視点で描かれ、そこで事件が発生する。それも、アリバイがある、とか、密室だったり、とか、そういう状況での事件。そこに「貴族探偵」が現れて……となる。
そのトリックの回収とか、そういうのは非常にオーソドックスな印象だし、手堅くできているんだけど、でも、それ以上に印象的になってしまうのは、どうしても「貴族探偵」の存在感。
これだけを見ると、貴族を名乗るその男が、優雅に……とか、そういう風に思われるかも知れない。でも、そうじゃない。探偵がやっているのは……いや、ネタバレはしないでおこう(笑) 各編、基本的な展開とかは同じだから、多少、インパクトは薄くなっていったが。
しかし、徹底的に人を食った作品っていうことだけは確か。
そんな中、事件のトリックだとかのインパクトがあるのは、最後に収録された『春の声』。富豪の娘の夫候補の3人が、その館で全員、殺害された……というもの。それまでの登場人物も登場して、ある意味では相当にツッコミどころもあるトリックで解決する。なかなかのぶっ飛び具合。
基本的には、探偵のインパクトを強めつつも、非常にオーソドックスな論理展開で解決するミステリとして楽しめた、という方が良いのかな、これは。

No.2288

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