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2008/03/08 (Sat) 13:47
(書評)ほんとはこわい「やさしさ社会」

著者:森真一

ほんとはこわい「やさしさ社会」 (ちくまプリマー新書 74)ほんとはこわい「やさしさ社会」 (ちくまプリマー新書 74)
(2008/01)
森 真一

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現代の日本において、「やさしさ」ということが人間関係のルールになっている。無条件で良いこととされている。しかし、本当にそうなのだろうか? そのようなものが一種の「しんどさ」の元になっていないだろうか?
本書では、人々が「やさしさ」を基準にし、多少でも相手を傷つけることが「悪いこと」となった、ということをまずいい、それが「何もしないこと」「慎重さ」になった、と言う。一方で、その背景として、家や企業などの制度に従う、というものが崩れ、「自己実現」「楽しむことが大事」という価値観の強化がある、と言う。そして、これらがそういう社会を作った。しかし、そこにはゆがみがあり、児童虐待であるとか、ネットでの誹謗中傷であるとかの問題へと繋がっているのではないか、と言う。
これ、話としては、「そういう風に捉えることもできるよね」となるのだけれども、正直、あまりに根拠が薄弱。基本的に、著者が課したレポートで、そのような意見があった、とか、著者がこういう思ったから…とかばかり。勿論、プリマー新書というところでのコンセプトとして、あまり厳密に細かく出来なかった、というのがあったのかも知れないが、しかし…。また、児童虐待は「子育ては楽しいもの」という価値観が広まったためでは? なんていう辺りは、そもそも虐待というものへの意識の変化も考えなければならないわけで、著者の言うとおりなのかはちょっと疑問(著者の言うようなものが無い、とはい言わないが)
と言うわけで、「話としては面白いけど…」という感じが残る。

通算1176冊目

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