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(書評)ボーダー ヒートアイランド4

著者:垣根涼介

ボーダー―ヒートアイランド〈4〉ボーダー―ヒートアイランド〈4〉
(2010/04)
垣根 涼介

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3年前、チーム『雅』を解散し、一人となったカオル。大学受験を経て、現在は大学生としての日々を送る。そんなある日、同じ大学に通う中西から、『雅』を名乗るグループがファイトショーをしていることを知り、アキへと連絡をする……
シリーズ第4作で、カオルが久しぶりの登場を果たす作品。そして、実は、著者のデビュー作『午前三時のルースター』のその後を描いた作品、でもある。途中まで読んでいて、ああそうだった、と思い出した。
物語の導入はなかなか面白い。『雅』の名を騙る連中は、どうやら、解散のきっかけとなった事件も知っている。それは拙い、というところで、アキとカオルが再会。そして、そのグループを潰そう……
やろうとしていることは単純なのだけど、その中に、カオルの同級生である慎一郎とその義妹・章が絡んでくる。どちらかと言えば、大学の中でも浮いた存在として互いに悪い印象を抱いていない両者が思わぬ形で対立する形になって……と単純な話が一つの闖入者で大きく変化する、という構図はかなり引き込まれる。さあ、これでどうするのか!!
……と思ったら、そこから延々と、『午前三時のルースター』の話になってしまって、何だかなぁ……という感じ。
最終的にアキとカオルが行った「一夜限りの復活」が象徴していると思うのだが、今作というのは著者の作品のファンに対するサービス、くらいの意味なのかも。
カオルらのその後がわかった、という意味では面白かったが、それ以上には感じられなかった。あと、『午前三時のルースター』を読もうと思っている人は、絶対にこれを読んではダメだと思う。

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  •  ボーダー/垣根 凉介
  • 垣根凉介さんの「ヒートアイランド」を始まりとする物語の第4作目にあたる、「ボーダー」を読み終えました。その後のシリーズで、"雅"のリーダーを務めてきたア
  • 2010.11.26 (Fri) 20:51 | 日々の記録