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(書評)ソウル・オブ・フット

著者:松樹剛史

ソウル・オブ・フットソウル・オブ・フット
(2010/10/28)
松樹 剛史

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JFLのチームを解雇された甲子仁志男。そんな彼に舞い込んだのは、地元である静岡のフットサルクラブ・ガンバルスの選手兼任監督としてのオファー。「奇跡のクラブ」と呼ばれつつも、現在は崩壊の危機にあるチームを短期間で国内最高峰のFリーグに昇格させる、ということを依頼されるのだが……
ということで、サッカー……ではなくて、フットサルを題材とした物語。
いや~……これを読むまで、フットサルとサッカーの違いすらよくわかっていなかった私(そもそも、サッカーJリーグのことについても、あやふやな部分だらけ、レベルだ) フットサル、というのは、少人数でやるミニサッカー、みたいなイメージしかなく、Fリーグなどのリーグがあるとか、そういうところから、サッカーとフットサルはルールから、戦術から、全く違うものなのだ、というようなことまで全てにおいて「へ~……」と思うところだらけ。
そんなフットサルとは何か? から、フットサルに限らず、プロスポーツの抱える、選手の夢と現実の問題(つまり、収入などの問題)とかまで綴られていて、非常に「勉強になる」というのがまず感じたこと。
ただ、ここまでであると、これまで著者の作品でも評価していたところなのだけど、本作の場合、それを入れつつも、「物語として」楽しめた、という部分が大きい。
が、本作の場合、最初に書いたように崩壊寸前のチームを立て直す、という目的があり、そのために選手を集める。試合をする、とった形で進んでいくので物語としても楽しめる。しかも、格安で練習場を提供していた人物が突如、方針を変えてしまった、とか、元J1で活躍していた男がやってきた、とか、連作短編のような形で続く。キャラクターも、(これは、フットサルに対する世間の目を表しているが)自宅では全くダメな存在のように扱われる仁志男。仁志男のお目付のような形でつっけんどんに対応するオーナーの娘・晶。チームに加入してきた元J1選手・杉田などしっかりと立っている。
そういう中で、主人公・仁志男が「指導者」として成長していく様が描かれるので、最初に書いたように全く知らない競技にも関わらず、どんどん読み進められた。
あくまでも、道半ばで「さぁ」というところで終わってしまうのが、ちょっと勿体ない気がするけど、でも、ここで終わるのがベストなのだろうな、と思う。面白かった。

No.2415

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