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(書評)乾いた屍体は蛆も湧かない

著者:詠坂雄二

乾いた屍体は蛆も湧かない (講談社ノベルス)乾いた屍体は蛆も湧かない (講談社ノベルス)
(2010/12/07)
詠坂 雄二

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……ゾンビになりたい。そう思いながら生きる僕たち。映画撮影のために訪れた廃墟で、屍体を発見する。その屍体を使って、ゾンビ映画を! しかし、それもつかの間、その屍体が忽然と消えてしまい……
ぶっちゃけ、このタイトル、作品の内容に殆ど関与してないんだけど……どういう意図?
物語としては、消えてしまった屍体。その屍体を巡り、一体誰が隠してしまったのか? そして、それは……まさか、仲間の中に犯人が? といった辺りで物語を引っ張る。
でも、それよりも主人公の絶望感といったものが印象に残る。
漫画家になる、という夢を持っていたものの、今は既にそれすら諦めた有名無実な状態。仲間も、似たような状態。やる気がないから、そのような状態になっているのか、それとも夢破れたからこそ、そのような状態なのか? 両方が悪循環のようになっているのかも知れない。とにかく、終始、その「諦め」の雰囲気が漂い。その中で、事件が一つの「やる気の元」となっているのが、何とも皮肉な印象を与える。
そして、物語のトリックは……
正直なところ、謎解きとしての要素は限りなく薄い。、また、この発想自体は目新しいものではない。でも、トリック、事件、その影響。それぞれがしっかりと結びついている辺りはうまい。そして、一つの救いにもなっている辺りも。序盤、私が感じた違和感も、、もしかしたら、そのトリックのための伏線なのかも。
多少(というか、かなり?)の荒業をやっているので、評価が割れるかも知れない。
でも、私は好き。

No.2420

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