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(書評)越境

著者:永瀬隼介

越境越境
(2010/03/18)
永瀬隼介

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一緒に暮らしていた女が消えた。300万円分の金を持って。バーを経営する菊村は、その女を追って、単身、その故郷である中国、黒竜江省へ向かう。そこで一波乱の後、帰国した菊村だったが、その前に……
うーん……なんか、乗り切れなかった。
冒頭の、黒竜江省への旅から始まり、東京へと戻って、そこへ現れたそこで出会った公安警察官……と、次々と物語が転がっていくので飽きることなく読むことが出来た。リーダビリティも高い。
何より、元々は、正義感溢れる丸暴刑事ながら、強引な誘いなどに流されて、否応なく事件に巻き込まれていく、というのはある意味、情けなく、でも、そんなものだよな、という感じがして親近感が湧く。正義と悪、そういうものの極めて薄いボーダーとかも面白い。
ただ……
個人的には、それ以外の面々に、どうも好印象が抱けなかった、というのがある。
消えた女は、その後、菊村に感謝している、とか言いつつも、金の匂いのする方へ流れていく、というのでどうしても嫌な印象が漂ってしまうし、黒竜江省で出会った公安警察官・楊にしても、口先で言いながら、ただ、強引に菊村を弄ぶ。楊の場合、それが目的のため、なのはわかるけど……その前に書いた巻き込まれ型主人公の菊村と併せてなんか、苛々感を感じた、というのがあるように思う。
終盤の展開に関しても、流石にやり過ぎかな、と。
序盤、中国の寒村から「金のために」日本へと嫁ぐ女性と、逆に、そういう女性を欲する農村の実情。そして、それを食い物にするブローカーとか、現実的なところから始まったのが、余計に違和感を感じさせる所以かも知れない。
最後まで一気に読ませる力はあるけど、どうも居心地が悪い。そんな後読感を覚えた。

No.2421

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