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(書評)狼と香辛料16 太陽の金貨・下

著者:支倉凍砂

狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)狼と香辛料〈16〉太陽の金貨〈下〉 (電撃文庫)
(2011/02/10)
支倉 凍砂

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デバウ商会による貨幣の製造。そんな活気溢れる町で、ロレンスは自らの店を持つことを決意する。そんな矢先、ロレンスの前に現れたのは、コルの頭陀袋を持った人物。半ば、脅されるような形で、デバウ商会内部での対立に巻き込まれ……
「最終巻」とか、散々煽っておいて、まだ、後日談で1冊出すんかい!! これだから、ラノベって奴は……(笑)
と言いつつ、話としては非常に面白かった。
前巻、「これはこれで、1つの話として成り立っていないか?」みたいな感想を書いたのだけど、その前巻が「表の話」なら、今巻は「裏の話」。
大きな力を持ち、それを使って新しい秩序を、と進むデバウ商会。それはまさしく希望に溢れる。しかし、どんな組織でもそうであるように、組織の中には様々な思惑が渦巻いており、一枚岩となることも難しい。そして、理想を追い求める人間がいれば、目先の利益に動いてしまう人間もいる。その中で、「理想派」とも言える存在の陣営に否応なく巻き込まれてしまうロレンスたち。デバウ商会に追われ、そこで、商人の、損得勘定を中心としたやり方というものの醜さまでをも見せつけられてしまう。
ここまでの商人としてのやり方。教会や領主といった「権威」によるやり方を非合理と排除してきたロレンスが、その徹底的なまでの「合理的な」やり方を「醜い」と感じるところとか、これまでの話との対照的に感じられたりして、非常に面白かった。
そんな中での、ロレンスとホロのやりとりも、ある意味では、結婚を前にした二人みたい……と思ったり。
商人として、と言いつつも、どうしても理想の方に、冒険の方に傾いてしまうロレンス。それに対して、「割り切ることも必要」「何かを諦めることも必要」と言うホロ。これまで、ロレンスの理想、冒険に付き合ってきたホロがいう言葉だけに、余計にロレンスには堪える。その言葉に一度は頷きながら、結局は……
「雄はたわけじゃ」
いつもの言葉ではあるんだけど、今回に関しては、ダメな夫を支える肝っ玉母さんみたいな感じがしてならなかった。
あとがきでも、「これで終わり?」みたいな感じで言われた、とは書いてあるのだけど、でも、私はこれで終わるのも良いのだろうと思っていた。前から感想で書いていたけど、この作品の良さの一つは、ロレンスとホロの、互いをしっかりとわかっているからこその掛け合い、というのは間違いないわけだし。
……なんてことを思っていたら、後日談でもう1冊発言。
……今回、あまりなかった、ひたすらに甘い話でお願いします。

No.2442

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