著者:箕崎准
文武両道、さらに美貌に財力も兼ね揃えた無欠のお嬢様・宝城瑠璃華。彼女の幼なじみであり、彼女に対する恋心を抱いていた水月君人は、彼女がお嬢様学校ではなく、自分と同じ高校に入学していたことを知る。なぜ? そう思っている彼が知ったのは、彼女が現在、ホームレス状態であること。そして、一つ屋根の下で暮らすことになって……
うん、メイドさんこと、胡蝶さんのキャラが素晴らしい。
「役に立たないメイドキャラ」というのは、ドジっ娘メイドとか数あれど、ドジっ娘じゃないのに、ここまで役に立たないメイドは新鮮だ。単に、瑠璃華が大好きで、しかも、そっちの性癖の持ち主(愛読書がコミック百合姫)で……結局、仕事をしないだけでなく、むしろ妨害をするキャラってどんだけ役立たずなんだ。その新鮮さが、何よりも光った。
……という風に書いて、何だけど……
正直、イマイチ。
お嬢様だったはずの瑠璃華が自分の学校にいた理由。そして、それを知って、一つ屋根の下で暮らすことになった。瑠璃華に対する嫌がらせ。母の形見の首飾りを取り戻す。そのためにバイト探し。
なんて言うのは良いのに、もっと広げられそうなものを広げず、しかも、首飾りの話とか殆ど投げっぱなしでグダグダと終わってしまったというか……。ある意味では、現実的な終わり方なのかも知れないけど、終盤の君人と瑠璃華のすれ違いは、瑠璃華側の描写が殆どなく、ただ、一方的に、瑠璃華が怒り出して、周囲が君人に「お前が悪い」と説教をしているような感じで、ちょっと納得しづらい。ここを物語の主にするなら、もっと途中のどうでも良いエピソードとか削って、両者の様子を描いて欲しい。
あと、タイトルの「止まらない」ってどういうことだったんだろう?
むしろ、暴走しているのは胡蝶さんだと思うのだが。
No.2462

![]() | 宝城瑠璃華は止まらない! (一迅社文庫) (2010/07/17) 箕崎 准 商品詳細を見る |
文武両道、さらに美貌に財力も兼ね揃えた無欠のお嬢様・宝城瑠璃華。彼女の幼なじみであり、彼女に対する恋心を抱いていた水月君人は、彼女がお嬢様学校ではなく、自分と同じ高校に入学していたことを知る。なぜ? そう思っている彼が知ったのは、彼女が現在、ホームレス状態であること。そして、一つ屋根の下で暮らすことになって……
うん、メイドさんこと、胡蝶さんのキャラが素晴らしい。
「役に立たないメイドキャラ」というのは、ドジっ娘メイドとか数あれど、ドジっ娘じゃないのに、ここまで役に立たないメイドは新鮮だ。単に、瑠璃華が大好きで、しかも、そっちの性癖の持ち主(愛読書がコミック百合姫)で……結局、仕事をしないだけでなく、むしろ妨害をするキャラってどんだけ役立たずなんだ。その新鮮さが、何よりも光った。
……という風に書いて、何だけど……
正直、イマイチ。
お嬢様だったはずの瑠璃華が自分の学校にいた理由。そして、それを知って、一つ屋根の下で暮らすことになった。瑠璃華に対する嫌がらせ。母の形見の首飾りを取り戻す。そのためにバイト探し。
なんて言うのは良いのに、もっと広げられそうなものを広げず、しかも、首飾りの話とか殆ど投げっぱなしでグダグダと終わってしまったというか……。ある意味では、現実的な終わり方なのかも知れないけど、終盤の君人と瑠璃華のすれ違いは、瑠璃華側の描写が殆どなく、ただ、一方的に、瑠璃華が怒り出して、周囲が君人に「お前が悪い」と説教をしているような感じで、ちょっと納得しづらい。ここを物語の主にするなら、もっと途中のどうでも良いエピソードとか削って、両者の様子を描いて欲しい。
あと、タイトルの「止まらない」ってどういうことだったんだろう?
むしろ、暴走しているのは胡蝶さんだと思うのだが。
No.2462

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