著者:田代裕彦
レウとクロムウェルが出会って1年。クロムウェルの世話をするなど、個人的な距離も近づきつつある中、レウはクロムウェルの友人で、錬髄術師であるキャヴァリエと知り合う。キャヴァリエの紹介もあり、錬髄術研究棟の見学をすることになるレウたちだったが、その翌日、その代表者とも言える錬髄術の大家・オースティンが密室で殺害されており……
前巻では、ちょっと世界観などに戸惑ったところもあるのだけど、今回はキャラクターなども入っていて、すんなりと物語に入ることができた。
物語のメインとなるのは、錬髄術研究棟の密室。中から鍵がかけられた状態である、という物理的な意味での密室。そして、その中では、物語世界を彩るはずの魔法もまた使うことができない、ということもある。つまり、二重の意味での密室状態。
しかし、事件の状況から考えると、魔法の関与があったようにしか見えない……。
その点はかなり魅力的。もっとも、物語世界の住人ではない、ミステリ作品を読み慣れた人間には、比較的、ピンと来やすいところかも知れない。容疑者も最初から絞られている上、ホワイダニットの部分については、読者にはわかりようがない。純粋に謎解きとして考えると、ちょっと小粒かも知れない。
ただ、その分、レウのかわいさが光る。
クロムウェルに対する自分の気持ちが、どういうところなのかよくわかっていなくて、でも、周囲にはひたすらからかい続けられる。そして、ちょっとしたことをきっかけに凹んでしまったり……。前回のように、友人を疑うことになる、とか、そういう点がない分、ますます、レウのかわいさが表面に立っていたように思う。
ま、考えてみれば、クロムウェルが保護者として面倒を見ている(?)メアリとか、そういう部分は未だに謎のまま。そういう意味じゃ、さらなるシリーズ続刊希望。
No.2474

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レウとクロムウェルが出会って1年。クロムウェルの世話をするなど、個人的な距離も近づきつつある中、レウはクロムウェルの友人で、錬髄術師であるキャヴァリエと知り合う。キャヴァリエの紹介もあり、錬髄術研究棟の見学をすることになるレウたちだったが、その翌日、その代表者とも言える錬髄術の大家・オースティンが密室で殺害されており……
前巻では、ちょっと世界観などに戸惑ったところもあるのだけど、今回はキャラクターなども入っていて、すんなりと物語に入ることができた。
物語のメインとなるのは、錬髄術研究棟の密室。中から鍵がかけられた状態である、という物理的な意味での密室。そして、その中では、物語世界を彩るはずの魔法もまた使うことができない、ということもある。つまり、二重の意味での密室状態。
しかし、事件の状況から考えると、魔法の関与があったようにしか見えない……。
その点はかなり魅力的。もっとも、物語世界の住人ではない、ミステリ作品を読み慣れた人間には、比較的、ピンと来やすいところかも知れない。容疑者も最初から絞られている上、ホワイダニットの部分については、読者にはわかりようがない。純粋に謎解きとして考えると、ちょっと小粒かも知れない。
ただ、その分、レウのかわいさが光る。
クロムウェルに対する自分の気持ちが、どういうところなのかよくわかっていなくて、でも、周囲にはひたすらからかい続けられる。そして、ちょっとしたことをきっかけに凹んでしまったり……。前回のように、友人を疑うことになる、とか、そういう点がない分、ますます、レウのかわいさが表面に立っていたように思う。
ま、考えてみれば、クロムウェルが保護者として面倒を見ている(?)メアリとか、そういう部分は未だに謎のまま。そういう意味じゃ、さらなるシリーズ続刊希望。
No.2474

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