著者:水鏡希人
贅の限りを尽くした巨大飛行船「ティターン号」。少年・アデルベールは小さな相棒・ティッカとともに、そこへと乗り込む。ある目的のために。貴族、商人、女優……様々な人々が集う中、世を騒がせる怪盗・セニンが、現れ……
著者のデビュー作『君のための物語』の姉妹編になる作品。大分、時が経過してしまったために、そことの関連が、多分、この辺りだよな……というのがもどかしい。
でも、やっぱり、著者は、現代を舞台にしたラブコメっぽいものとかよりも、本作のような近代くらいを舞台にしたファンタジー的な物語の方が合っている、と感じる。
物語は、冒頭にも書いた贅の限りを尽くした飛行船が舞台。
乗り合わせた貴族・グレーシーハイム家に伝わる「青きダイヤ」を狙う怪盗と、怪盗を捕まえようとする警備員たち。
怪盗との対決、というのが主軸にありながらも、主人公・アデルベールを始めとして、それぞれが事情を抱え、何らかの「嘘」を言っていることから、物語が交錯していく。アデルベールと、貴族の娘であるリラの恋心。胡散臭い貴族とリラの婚約。さらには、悪霊の闊歩……。色々な要素を入れつつも、物語の主軸がハッキリとしているので、それほど混乱することもないし、却って、良い意味で「昔ながらの冒険活劇」テイストを醸し出しているように感じる。やたら派手な怪盗の行動とか、明らかに著者も狙っているんだろうな、と思う。
正直なところ、結構、伏線の張り方が露骨だし、また、話そのものも「お約束」なところを詰め込んでいるので先が読める、という部分はある。ただ、個人的には、あまりそれが欠点であるとは思えなかった。
やっぱり、著者は、こういう路線の物語を今後も書いて欲しいな、というのを強く感じた一冊。
No.2478

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贅の限りを尽くした巨大飛行船「ティターン号」。少年・アデルベールは小さな相棒・ティッカとともに、そこへと乗り込む。ある目的のために。貴族、商人、女優……様々な人々が集う中、世を騒がせる怪盗・セニンが、現れ……
著者のデビュー作『君のための物語』の姉妹編になる作品。大分、時が経過してしまったために、そことの関連が、多分、この辺りだよな……というのがもどかしい。
でも、やっぱり、著者は、現代を舞台にしたラブコメっぽいものとかよりも、本作のような近代くらいを舞台にしたファンタジー的な物語の方が合っている、と感じる。
物語は、冒頭にも書いた贅の限りを尽くした飛行船が舞台。
乗り合わせた貴族・グレーシーハイム家に伝わる「青きダイヤ」を狙う怪盗と、怪盗を捕まえようとする警備員たち。
怪盗との対決、というのが主軸にありながらも、主人公・アデルベールを始めとして、それぞれが事情を抱え、何らかの「嘘」を言っていることから、物語が交錯していく。アデルベールと、貴族の娘であるリラの恋心。胡散臭い貴族とリラの婚約。さらには、悪霊の闊歩……。色々な要素を入れつつも、物語の主軸がハッキリとしているので、それほど混乱することもないし、却って、良い意味で「昔ながらの冒険活劇」テイストを醸し出しているように感じる。やたら派手な怪盗の行動とか、明らかに著者も狙っているんだろうな、と思う。
正直なところ、結構、伏線の張り方が露骨だし、また、話そのものも「お約束」なところを詰め込んでいるので先が読める、という部分はある。ただ、個人的には、あまりそれが欠点であるとは思えなかった。
やっぱり、著者は、こういう路線の物語を今後も書いて欲しいな、というのを強く感じた一冊。
No.2478

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